哲学とピストル


どうして曖昧にするんだろう
確かなものを伝える言葉さえ

それはとても悲しい事実なのに

分かったふりをして
悩んだふりをして
結局何も感じていない

「精神が蝕まれているのさ」

君はピストルを宛てがった

「自分の体に巣食う虫にも気がつかない」


綺麗な言葉を並べた歌を
綺麗な声で彼女は歌う

誰もが彼女を誉めたたえるのに

苦痛しか感じなくて
耳をふさいだ僕を
誰もが狂ってると言った

「キミだけが気づいているのさ」

君は引き金に指をかけた

「あの女の言葉がみんな偽物だって事を」


君の持っているピストルは
想像してたよりずっと軽くて

僕の手のひらに伝わる
君の温度だけが
本当の事のように思えた



それでも二人並んで歩けば
恋人同士のように見える

精神にきたした異常の狭間で

君のポケットには
小さなピストル
君は哲学を口ずさみ

僕は君の手を握り締めた

一番怖いのは人間の心だと思います

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