無題


君の その背には
確かに 翼があった

「翼なんて無い」
君は そう言い張っていたけど

しなやかに その翼を広げ
その手を伸ばし 天を仰ぎ

舞い上がる 君の姿を見た


消えて逝く その刹那に
君を包んでいたものが
幸福であったことを

君を失っても
涙を流すこともできない
僕がそれを望むことを許して


ずいぶん前に王天君のために書いたものです
深く刻み付けた傷が癒えなければ忘れずにいられるんでしょうね

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