大砲で人工衛星

解説と操作法

 大砲から打ち出された砲弾は,地球の重力により落下していずれ地表に落ちます。しかし砲弾を打ち出す速さを増すとどうでしょう。砲弾はやはり落下するのですが,地球が丸いことから砲弾の落下と同じように地表も曲がっていきます。ニュートンは,このような考えから,ある速さで砲弾を打ち出せば,地表に落ちることなく地球をぐるりとまわってしまうと考えました。

 このアプレットはニュートンのこのような考えが,万有引力の法則と運動方程式から,実際に起こるかどうかを見ることができます。地上300kmの位置にある大砲から砲弾を打ち出してみます。こんな高い山はないのでこんなところに大砲なんかおけないよ,と思うでしょうが,地球の半径6400kmに比べればこれでも地表すれずれなので,仮に置いたと納得してください。実際この高さはスペースシャトルの飛行高度程度の高さです。それではStartボタンを押してみましょう。

 はじめは速さが十分ではないので,すぐに地表に落ちてしまいます。Resetボタンを押して砲弾を戻し,速さの調整レバーを動かして打ち出す速さを増し,再びStartボタンを押してみましょう。砲弾はもっと遠くまで飛んでから地表に落ちるでしょう。このよにして,速さを増やしながら砲弾の運動を見てみましょう。枠から砲弾が出てしてしまったら右側のレバーを動かして見える範囲を拡げます。また,途中で運動を止めてみたいときはStopボタンを,砲弾の飛んだ道筋(軌跡)を見たいときはStroboボタンを押します。

 さて,本当に砲弾は地球をまわってしまうのでしょうか。また,まわるとしたら少なくともどれだけの速さが必要なのでしょう。


製作:加藤徳善 (norimari@mxb.mesh.ne.jp)

(2003.9.6)


のりさんのパソコン物理へ