静電場をみよう

操作法と解説

 空間に電荷があると,その周りに電場ができます。このアプレットでは,いろいろな電荷の配置について,電場のようすを視覚的にみることができます。それでは試してみましょう。

(1)電場ベクトルをみる

 はじめに,何もない空間が表示されています。また,右端にいくつかの電荷が用意されています。赤の球は正電荷,青の球は負電荷で,1から3の数字は電荷の強さを表しています。それではさっそく好きな電荷をつかんで,空間の好きな場所に置いてみましょう。最大6個まで電荷を置くことができます。
 電荷を入れても,空間は何も変わったようすは見えませんね。でもしっかりと電場ができています。右上のピンクの小球をつかんで空間のなかに置いてみます。黄色いベクトルが表示され,そのベクトルは電荷との位置関係で大きくなったり小さくなったりいろいろな向きを向いたりします。このピンクの小球は電場のようすを調べるための試験電荷で,黄色いベクトルはその点での電場ベクトルを表しています。電場ベクトルは,仮に1クーロンの正電荷をその場所にもってきたとき,その電荷が受ける力として定義されます。ピンクの球を動かしながら,電場ベクトルのようすをいろいろと調べてみましょう。操作に慣れてきたら,次の質問について調べてみましょう。

質問
 ○正電荷の周りの電場はどのようになっていますか。
 ○負電荷ではどうですか。
 ○正電荷と負電荷がある場合,その周りの電場はどのようになりますか。
 ○正電荷が2つある場合はどうですか。
 ○負電荷が2つある場合はどうですか。
 ○以上のことについて,電荷の大きさがいろいろと変わるとどうなりますか。
 ○電荷がたくさんある複雑な空間についても調べてみましょう。

(2)電気力線

 今度は右上の白球をクリックしてから,空間に配置した正電荷の近くの空間をクリックしましょう。白点が現れ動いていきます。この白点は正電荷に帯電していて,電場からの力を受けて動いていきます。しかし,空間内が油のような液体で満たされているとしているため,強い抵抗力を受けながら電場の向きにゆっくり動きます。その結果,白点は電場に沿った曲線を描きます。このような曲線を「電気力線(でんきりきせん)」といいます。
 次に右下のCと書いてある緑のボタンをクリックしてみましょう。ボタンがオレンジのNに変わり,画面を書き換えないモードになり,白点が動く道筋が残るようになります。このようにして,電気力線のようすを描くことができます。
 それでは,(1)の質問について,電気力線のようすも調べてみましょう。

(3)電位

 静電気力は,重力や万有引力と同じように,位置エネルギーを考えることができる力です。1クーロンの正電荷が持つ位置エネルギーは特に「電位(でんい)」と呼ばれ,単位V(ボルト)で測ります。電荷がない空間の電位を基準として0Vとすると,正電荷の周りでは電位が高くなり,負電荷の周りでは電位が低くなります。いくつかの電荷がある場合は,それぞれの電荷による電位の足し算で実際の電位を求めることができます。これはエネルギーが足し算可能な量だからです。
 さて,電位のようすをみることも,電場を視覚的に理解する大切な方法です。それでは,右下の大きなボタンを押してみてください。正電荷の周りが赤く負電荷の周りが青く変わります。赤は正の電位,青は負の電位を表し,色の濃さは電位の大きさを表します。画面を書き換えないモードでは,少し暗い領域と少し明るい領域が模様をつくっているように見えますが,この境界の線は,同じ電位の点を連ねた線を表しています。これは等電位面(線)と呼ばれます。オレンジに変わったNのボタンを再びクリックすると緑のCに戻り,画面を書き換えるモードになりますが,この状態で電荷を動かすと,電荷の配置によって電位のかたちが複雑に変化していくこともわかります。
 電位についても,(1)の質問の内容を調べてみましょう。さらに電気力線と等電位面の交わり方のルールも見出してみましょう。

 なお,赤いRのボタンを押すとリセットされて,最初の電荷のない状態に戻ります。


制作:加藤徳善 (norimari@mxb.mesh.ne.jp)

(2002.9.26)


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