のりさんコーナー
のりさんコーナー第一弾は床屋の話です。


マレイシア床屋事情
- インド人の床屋 -

 マレイシアの床屋といっても,いくつかの種類があります。代表的なタイプとして,その1:日本人スタッフもいる日本人相手の大変こぎれいな美容室タイプ,その2:中国系の腕に自信有りといったアーティスト気取りの床屋,その3:家まで出張してくれる床屋,その4:今回紹介する私がよく行くインド人の安上がり一般庶民の味方タイプ床屋です。

 来馬当初はその2タイプの床屋に行っていました。若い女性がなぜかシャンプーしてくれ,結構こだわるぞといったアーティスト風の専門家がカットし,それに雑誌とお茶のサービス付で料金はなんとRM25,日本円で千円程度と大変安いです。しかし,気になるのがもみ上げなどの毛を剃るとき消毒しないナイフを使うこと。これではB型肝炎などの危険性があります。そんな心配をしていたとき,安くて安全な床屋があると聞き行ったのがインド人の床屋。その後はずっとここでカットしてもらっています。最近しばらくぶりでカットしてもらったのでその様子を簡単に紹介しましょう。

 この床屋は我々がよく行く安売りマーケットのある商店街の一角にあります。入り口には日本と同じように回転円柱があります。色は赤白青緑です。日曜日で休みの店が多い中,回転円筒は回っていました。中にはいるとカットの椅子が6あり働いているのも6名,ちょうど椅子は客がフルハウス状態。でも待っている客はいません。いつもこんなものです。誰かすぐ終わるだろうと待つことにし入っていくと,この店のおやじがいつもはただこちらの顔をちらっと見るだけなのに今日はちょっと笑顔を見せてハロー。今回で4回目ぐらいなので顔を覚えてくれたかなと思いつつ私もハロー。数分してなぜか中国系の客がぞろぞろ入ってきて待ち始めました。部屋のテレビではインドのMTV といったポップス番組がベスト30かなにかをカウントダウンしており,テレビの横にはヒンズウ神様が祭ってあります。

 ちょうどおやじの席の客が終わり,私の番。当然ですがしっかり順番を守ってくれました。私が席に座ると日本と同じように白いマントを巻きます。「ショート ハ↑」と尻上がりに聞いてきたので,「イエス。ショート」と答え,カット開始。ハサミを使わず櫛と電気バリカンでどんどんばさばさとカットし,かたちをつくります。その後仕上げに小型のハサミで飛び出た髪の毛等を整えカットは完了。そのあとが剃り。この店では柄につける剃刀の刃を一人ごと目の前で取り替えて使います。これが安心の秘訣。剃ったところには,インド秘伝?のトリートメントを付け,毛を払って終了。シャンプー無しです。所要時間20分で料金はRM9(360円)と吉野屋のように安くて速い。髪の毛の細かな切りかすが首でチクチクしますがこの値段と時間と安心はたいへん気に入っています。

 椅子を立ちお金を払いサンキュウというとおやじはまたニコッ。今日は機嫌がいいようです。



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1996,4,10更新