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21世紀も目前に迫った現在、『IT革命』という言葉のもとでインターネットを核とした、無数の技術が
生まれています。それらの中から、あるものは将来メジャーな技術となったり、またあるものは人知れず消えて
ゆく運命なのかもしれません。このコーナーでは、現在からこれから筆者の目に止まった技術を簡単にですが、
紹介していきたいと思います。ここでは、『技術』は『ハードウェア』『ソフトウェア』だけでなく、サービス
を含んだかたちでいきたいと思います。不定期ですが内容を追加していきますので、時々覗いてみてください。
あなたの知らない便利なものが、もうすでに『存在』しているかも...。
プレイステーション2 |
評価判定 | ★★★★☆ |
掲載日 | 2000年09月01日 |
概要 |
1999年3月にソニーが発売した、プレイステーション2は既に300万台を超える販売台数を誇るヒット商品と
なっています。最新のパソコンを遥かに凌ぐ高性能CPUとグラフィックスエンジンを搭載しているうえ、標準ドライブ
でDVDを再生できるなど、性能では既にゲーム機を超えた存在になっています。まだ、プレイステーション2の性能を
十分に引き出すソフトは少ないのですが、多くの人はDVD鑑賞用にまた、従来のプレイステーションの資産を生かせる
安心感から購入していると思われます。
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検証 |
プレイステーション2の記事と言えば、どこでも「ベタ誉め」が多いのですが、実際にそうでしょうか?筆者の率直な
感想を言えば、「今、慌てて買うこともないハードウェア」になります。まず、プレイステーション2をゲーム機とする
なら、まだ十分に専用のタイトルが揃っていないのですから、それを待ってもいいことになります。また、DVD観賞用に
するなら、今の機種では専用機を購入した方が良いと思われます。インターネットの色々な掲示板などで報告されている
ように、現在のプレイステーション2ではDVDを鑑賞するときの音が小さすぎるのです。もしかしたら、BGMと
音声の再現のバランスが悪いかもしれません。実際にDVDを観ると、俳優が小声喋るシーンなどは聞き取れないくらいの
時があります。これは、次のバージョンでは改善されるでしょうが、今の機種を購入すると「えっ?」と思うかもしれま
せん。プレイステーション2は、USBなどの外部とのインタフェースが充実しており、さらに将来は通信ユニットも
販売されることになっています。これらを期待したいのですが、何分現在のところはソニーが言うような高速通信が普及
するには時間がかかりそうですし、USB対応もやっとマウスが使えるにすぎません。これらのことを考えると、購入
する場合は、秋に出るであろう次のバージョン以降を、もう少し待っても遅くない気がします。
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参考URL | なし |
JavaServlet/JavaServer Pages(JSP) |
評価判定 | ★★★★★ |
掲載日 | 2000年09月01日 |
概要 |
JavaServletの特徴は、WEBサーバーで動いて動的にHTMLを作り出し、HTMLのみをブラウザーに送り表示する。
JavaServer Pages(以下JSPと呼ぶ)は、HTMLの中に記述されるスクリプトでサーバー側で自動的にJavaServletに
コンパイルされるものです。この両者は、それぞれ単独でシステムを開発することができますが、両者をJavaBeans
により連動させることにより、さらに柔軟なシステム開発を可能となります。もともと、HTMLの中にスクリプトの
ように埋め込むことのできるJSPは業務画面を作成するのに向いていますが、複雑なロジックを記述するのには向いて
いません。逆に、JavaServletの方は、ロジックを記述するのには向いていますが、内部でHTMLを生成させるコードを
記述してしまうと読みにくいものになってしまします。そこで、現在はJavaで開発されている大規模システムの多くが、
画面の作成部分はJSPに任せて、業務ロジックはServlet側で処理を行いそれぞれの連携の部分に、「JavaBeans」を
用いる手法が採用されているわけです。これこそが、オブジェクト指向プログラミングの中で「MVCモデル」に相当する
ものなのです。
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検証 |
従来Javaで開発されたシステムを大きく分類すると、JavaアプリケーションとJavaアプレットの2通であるが、
Javaが大規模システムに適用されていくにつれて、今後のトレンドはJavaServletとJSPを連携したものになると
思われます。なぜなら、従来のJavaでWEBアプリケーションを開発した時、Swing(AWT)などのGUI部分に多くの工数
がかかる上に、アプリケーションのパフォーマンスのネックにもなっています。JavaServletとJSPを採用することに
より大規模システムにおいても実用的なパフォーマンスの実現と、システム開発工数の削減が可能になるのです。
もちろん、より高度なGUIを必要とする部分は、Swingを使ったアプレットを利用する必要があるかもしれません。
しかし、それはシステム全体においては、ほんの一部分なのではないでしょうか。これから、Javaを勉強したいと
思っているプログラマは、是非JavaServlet/JSPに触れていただきたいと思います。
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参考URL | http://www.ibm.co.jp/software/groupware/tips/ |
WEB−OS |
評価判定 | ★★ |
掲載日 | 2000年08月20日 |
概要 |
現在、ビジネスの場ではASP(Application Service Pxxx)が流行となっている。これは、今まで企業が情報化を
するために、必ず何らかのソフトウェアパッケージの購入をしていたが、今後は必要なソフトウェアをASP事業者から
レンタルすることによりコストの低減を図るというものである。さらに、ビジネスソフトだけでなく一般の個人ユーザー
でも利用するオフイスアプリや、スケジューラーなどPIMアプリなどもASPとして提供されようとしている。
WEB−OSは、その極めつけとしてパソコンのデスクトップ自体(ここでは、OSと呼んでいる)をWEBで提供
しようというものである。WEB−OSを利用するユーザーは、WEBブラウザをもったパソコンであれば、Windowsでも
Machintoshでも、あるいはLINUX搭載機でもWEBで提供されるデスクトップを使用することができる。また、通常自分が
使っているパソコンでなくても、例えば出張先であっても何時もと同じデスクトップを開いて作業をすることができる
メリットがある。
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検証 |
http://www.webos.comに行って簡単な登録手続きをすれば、この最新の技術を無料で試すことができる。WEBドライブ
と同じように20MBのディスクエリアを貰えるので、そこに自分が作成したファイルなどを保存することもできる。
デスクトップ画面は、Windowsを意識したものになっていて操作に困ることはない。しかし、このWEB−OS上で現在
提供されているアプリケーションは、ワードパットレベルの簡単なワープロソフトとカレンダー(PIM)、メモ帳など
限られたものでしかない。また、完全に日本語が利用できるわけではない。また、デスクトップのすべての情報をインターネット
からダウンロードするわけなので、高速回線でなければ使えない。現在普及しているISDNレベルでは、活用が難しい
といったところであろうか。近い将来、日本国内でも低価格な高速通信が普及し、WEB−OS上で使用できる実用的な
アプリケーションが増えたなら、この技術の利用価値は高いであろう。しかしながら、今現在は使うレベルでは無いと言える。
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参考URL | http://www.webos.com |
WEBドライブ |
評価判定 | ★★★★ |
掲載日 | 2000年08月20日 |
概要 |
多くのインターネットプロバイダは、ホームページを作成する会員に対して数MB〜数十MBのディスクを貸し出しているが、
WEBドライブは、ホームページの利用ではなく一般的ストレージ(例えばハードディスク)と同じような利用方法として
インターネットサーバーのディスクを貸し出すものである。
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検証 |
WEBドライブを提供しているサイトはいくつかあるが、ここではhttp://www.xdrive.comを検証してみよう。Xdriveは、現在
のところ簡単な登録だけで、無料で25MBのディスクを貸し出している。登録後、WEBブラウザでこのサイトにログインすると
エクスプローラ風のブラウザ画面が表示される。ユーザーは、この画面を利用して貸し出されたドライブにファイルをアップロード
したり、ダウンロードしたり削除するなど一般的な操作を行うことができる。また、Xdriveの特徴としては、Windowsユーザーで
あるならユーティリティをダウンロードしてパソコンにインストールしておけば、それを使用することでエクスプローラに
ネットワークドライブが現れローカルディスクと同じように使用することができる。これを利用して、いつも使っているツール
や書類のファイルを格納しておけば、どこでもWEBブラウザが使える環境にあれば、それらのファイルをダウンロードする
ことができ慌てなくて良い。インターネット上にディスクを持つとなると、通信速度とセキュリティが気になるところである。
しかし、通信速度については、実際の利用がファイル転送レベルに限られるので、特に大きなファイルを操作しないかぎり
32Kbpsや64Kbpsの通信回線であっても問題はない。もちろん、高速回線であればローカルディスクと同じくらい気にならなく
なれば、それにこしたことはない。また、セキュリティに関しては、これは現段階では使う側(利用者)が十分に気を付ける
しかない。インターネットを利用する他のサービスでも同じであるが、個人情報、企業情報などを漏れてはならない情報を含む
ものをWEBドライブに置くのは避けるべきである。この点に注意したら、WEBドライブは、現在でも結構便利なサービスといえる。
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参考URL | http://www.xdrive.com |
※評価判定は、その技術が「現在の状態」で「筆者の環境」において役立つものであるかどうかを、5段階評価したものです。
時代が変わりインフラが変われば評価も変わるし、個人の環境によっても変わりますのでひとつの参考として捉えて下さい。
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