証明
証明
(1) R(x + y) + R(x + yw) ⊆ R(x + y) + R(x + yw2),
(2) R(x + y) + R(x + yw2) ⊆ R(x + yw) + R(x + yw2),
(3) R(x + yw) + R(x + yw2) ⊆ R(x + y) + R(x + yw)
を示せばこの主張は成り立ちます。
まず、(x + y)w + (x + yw)w2 + (x + yw2) = 0
が成り立ちます(*)。
(1) は、x + y ∈ R(x + y) + R(x + yw2) は明らか、
x + yw ∈ R(x + y) + R(x + yw2) は(*)から分かります。
(2) は、x + y ∈ R(x + yw) + R(x + yw2) は(*)から分かります。
x + yw2 ∈ R(x + yw) + R(x + yw2) は明らか。
(3) は、(3-1) x + yw ∈ R(x + y) + R(x + yw) は明らか、
x + yw2 ∈ R(x + y) + R(x + yw) は(*)から分かります。
証明終わり
証明
(1) R(x + y) + R(x + yw) ⊇ R(x + y) + R(y(1 - w))
は y(1 - w) = (x + y) - (x + yw) ∈ R(x + y) + R(x + yw)
から分かります。
逆の包含関係は議論には必要ないので省略します。
(2) R(x + y) + R(y(1 - w)) ⊇ R((x + y)(1 - w)) + R(y(1 - w))
は (x + y)(1 - w) ∈ R(x + y)
から分かります。
(3) R((x + y)(1 - w)) + R(y(1 - w)) ⊇ R(x(1 - w)) + R(y(1 - w))
は x(1 - w) = (x + y)(1 - w) - y(1 - w) ∈ R((x + y)(1 - w)) + R(y(1 - w))
から分かります。
逆の包含関係は議論には必要ないので省略します。
(4) R(x(1 - w)) + R(y(1 - w)) = (Rx + Ry)(R(1 - w))
は R(x(1 - w)) + R(y(1 - w)) = (Rx)(R(1 - w)) + (Ry)(R(1 - w)) = (Rx + Ry)(R(1 - w))
から分かります。
(5) (Rx + Ry)(R(1 - w)) = R(1 - w)
は x と y が互いに素(Rx + Ry = R)であること
から分かります。
証明終わり
証明
(1) N(x) が整数であることは、a、b が整数であることから分かります。
N(x) が正の数であることは、a2 - ab + b2
= ((a - b)2 + a2 + b2)/2
であることと、a、b が整数(整数の2乗は正の数)であることから分かります。
(2)
x = a + bw、y = c + dw (a、b、c、d は Z の元)とすると
xy = (a + bw)(c + dw) = ac + (ad + bc)w + bdw2
= (ac - bd) + (ad + bc - bd)w,
(a + bw2)(c + dw2)
= ac + (ad + bc)w2 + bdw
= (ac - bd) + (ad + bc - bd)w2
となるので、A = ac - bd、B = ad + bc - bd とおくと、
N(xy) = N(A + Bw) = (A + Bw)(A + Bw2)
= (a + bw)(c + dw)(a + bw2)(c + dw2)
= N(x)N(y)
となります。
証明終わり
証明
x = a + bw (a、b は Z の元)とおくと、
2 = 2N(x) = (a - b)2 + a2 + b2
であるから、a - b, a, b のうちの1個は 0 で、他の2個は ±1 になります。
a - b が 0 のときは、a = b = 1 または a = b = -1 となります。
x = a + bw = 1 + w = -w2 または x = a + bw = - 1 - w = w2となります。
a が 0 のときは、b = 1 または b = -1 となります。
x = bw = w または x = bw = -w となります。
b が 0 のときは、a = 1 または a = -1 となります。
x = a = 1 または x = a = -1 となります。
証明終わり
証明
y = c + dw (c、d は Z の元)とします。
y~ = c + dw2 とおくと、
N(y) = yy~ となります。
xy~ = a + bw (a、b は Z の元)とおくと、
a = N(y)e + f, b = N(y)g + h
(e、f、g、h は Z の元、|f| ≦ N(y)/2、|h| ≦ N(y)/2)
とすることができます。
q = e + gw, r = x - yq とおくと、x = yq + r で
xN(y) = xyy~ = y(a + bw) = y(N(y)(e + gw) + (f + hw)) = N(y)yq + y(f + hw),
N(y)r = N(y)N(x - yq) = y(f + hw),
N(y)2N(r) = N(y)N(f + hw),
N(y)N(r) = N(f + hw) = f2 - fh + h2
≦ (3/4)N(y)2,
N(r) ≦ (3/4)N(y) < N(y)
が成り立ちます。
証明終わり
証明
y を I の元とします。
命題5より、y = xq + r、N(r) < N(x) となる R の元 q、r が存在します。
r = y - xq ∈ I であることと、N(x) が最小であることから、r = 0 となります。
したがって、y = xq ∈ Rx となります。
証明終わり
証明
I = Rx とすると、1 - w が x で割り切れるので N(1 - w) は N(x) で割り切れます。
N(1 - w) = 3 なので、N(x) = 1 または N(x) = 3 となります。
N(x) = 1 のときは、命題4より
x = 1, -1, w, -w, w2, -w2 のどれかになります。
N(x) = 3 のときは、
x = a + bw (a、b は Z の元)とおくと、
6 = 2N(x) = (a - b)2 + a2 + b2
であるから、
a - b, a, b の2乗は4以下となって、
a - b, a, b のうちの1個は ±2 で、他の2個は ±1 になります。
a - b が ±2 のときは、a = 1, b = -1 または a = -1, b = 1 となります。
x = a + bw = 1 - w または x = a + bw = -(1 - w) となります。
a が ±2 のときは、a = 2, b = 1 または a = -2, b = -1 となります。
x = a + bw = 2 + w = (2 + w) - (1 + w + w2) = 1 - w2
= -w2(1 - w)
または x = a + bw = -2 - w = -(2 + w) = w2(1 - w) となります。
b が ±2 のときは、a = 1, b = 2 または a = -1, b = -2 となります。
x = a + bw = 1 + 2w = (1 + 2w) - (1 + w + w2) = w - w2
= w(1 - w)
または x = a + bw = -1 - 2w = -(1 + 2w) = -w(1 - w) となります。
したがって、I = R または I = R(1 - w) となります。
証明終わり
証明
(1) 0 でも単元でもない R の元 a は既約分解を持つことを証明します。
a が既約分解を持たないと仮定すると、以下のような既約分解を持たない元
a0, a1, a2, …
が存在します。
(a) a0 = a とします。
(b) ai は既約分解を持たないので ai = bc となる
R の元 b、c で、どちらかは既約分解を持たないものが存在します。
これを ai とおきます。
(a0) ⊂ (a1) ⊂ (a2) ⊂ …
((a0) ≠ (a1) ≠ (a2) ≠ … )
となるので、
I = ∪i(ai) とおくと、I は R のイデアルで、
R は単項イデアル整域なので、I = (x) となる I の元 x が存在します。
x はある (ai) に含まれるので (ai) = (x) となり、
(ai) ≠ (ai+1) に矛盾します。
(2) R の既約元 a が素元であることを証明します。
a | bc (b, c ∈ R)とします。
(a, b) = (d) となる d ∈ R が存在します。
a = de となる e ∈ R が存在し、a は既約元なので d または e が単元になります。
d が単元とすると、(a, b) = (1) となります。
ma + nb = 1 となる m, n ∈ R が存在します。
a | mac + nbc = c となります。
e が単元とすると、(a) = (d) となり、(a, b) = (a) となります。
b ∈ (a) となるので a | b となります。
(3) 既約分解は順序と単元の積とを除いて一意的であることを証明します。
既約元
a1、a2、...、ar、
b1、b2、...、bs
が
a1a2...ar =
b1b2...bs
を満たすとします。
ai | b1b2...bs
となり、(2)より ai は素元なので、ある j に対して
ai | bj となります。
ai は既約元なので ai = bju (u は単元)
となります。
よって、番号を付け替えると
a1a2...ar-1 =
b1b2...bs-1
となります。これを繰り返すと r = 0 となります。このとき s = 0 となります。
よって分解は順序と単元の積とを除いて一意的となります。
証明終わり
証明
命題8より、R は一意分解整域となります。
I = (x),
x = p1e1p2e2
…pmem,
J = (y),
y = q1f1q2f2
…qkfk,
K = (z),
z = r1g1r2g2
…rlgl
とおきます
(p1, p2, …, pm は異なる既約元、
q1, q2, …, qk は異なる既約元、
r1, r2, …, rl は異なる既約元、
ei, fi, gi は1以上の自然数)。
I + J = 1 より
p1, p2, …, pm,
q1, q2, …, qk は異なる既約元となります。
したがって pi はある rj と等しくなり、
ei = ngj となります。
hi = gj とおくと
I = (p1h1p2h2
…pmhm)n
となります。
J についても同様となります。
証明終わり
証明
AB + C ⊇ AB + AC + CB = A(B + C) + (A + C)B = A + B = R
であるから、命題9より AB = En, C = Mn
となる R のイデアル E, M が存在します。
もう一度命題9より A = Kn, B = Ln
となる R のイデアル K, L が存在します。
証明終わり
証明
R が単項イデアル整域であることから、
L = (a + bw)3 となる整数 a、b が存在します。
(x + yw) = L3 なので x + yw = e(a + bw)3
となる単数 e が存在します。
x, y は奇数なので、x + yw ≡ 1 + w (mod 2) となります。
(a + bw)3
≡ a3 + a2bw + ab2w2 + b3w3
≡ a + abw + abw2 + b
≡ a + ab + b (mod 2)
なので
1 + w ≡ e(a + ab + b) (mod 2) となります。
a ≡ b ≡ 0 (mod 2) とすると、1 + w ≡ 0 (mod 2) となりますが、
これはありません。
したがって a ≡ b ≡ 0 (mod 2) ではないので、a + ab + b ≡ 1 (mod 2) となります。
1 + w ≡ e (mod 2) となり、
e = w2 または -w2 となります。
e = w2 のときは
x + yw = w2(a + bw)3 となります。
e = -w2 のときは a' = -a, b' = -b とおけば
x + yw = w2(a' + b'w)3 となります。
証明終わり
証明
命題1と同様です。
(1) R(a + b) + R(2a - b) ⊆ R(a + b) + R(a - 2b),
(2) R(a + b) + R(a - 2b) ⊆ R(2a - b) + R(a - 2b),
(3) R(2a - b) + R(a - 2b) ⊆ R(a + b) + R(2a - b)
を示せばこの主張は成り立ちます。
まず、(a + b) - (2a - b) + (a - 2b) = 0
が成り立ちます(*)。
(1) は、a + b ∈ R(a + b) + R(a - 2b) は明らか、
2a - b ∈ R(a + b) + R(a - 2b) は(*)から分かります。
(2) は、a + b ∈ R(2a - b) + R(a - 2b) は(*)から分かります。
a - 2b ∈ R(2a - b) + R(a - 2b) は明らか。
(3) は、(3-1) 2a - b ∈ R(a + b) + R(2a - b) は明らか、
a - 2b ∈ R(a + b) + R(2a - b) は(*)から分かります。
証明終わり
証明
(1) R(a + b) + R(2a - b) ⊇ R(a + b) + R(3a)
は 3a = (a + b) + (2a - b) ∈ R(a + b) + R(2a - b)
から分かります。
逆の包含関係は議論には必要ないので省略します。
(2) R(a + b) + R(3a) ⊇ R(3a + 3b) + R(3a)
は 3a + 3b = 3(a + b) ∈ R(a + b)
から分かります。
(3) R(3a + 3b) + R(3a) = R(3a) + R(3b)
は 3b = (3a + 3b) - 3a ∈ R(3a + 3b) + R(3a)
から分かります。
逆の包含関係は議論には必要ないので省略します。
(4) R(3a) + R(3b) = (R3)(Ra + Rb)
は R(3a) + R(3b) = (R3)(Ra) + (R3)(Rb) = (R3)(Ra + Rb)
から分かります。
(5) (R3)(Ra + Rb) ⊇ (R3)(Rx + Ry)
は Rx + Ry ⊆ Ra + Rb
から分かります。
(6) (R3)(Rx + Ry) = R3
は Rx + Ry = R
から分かります。
証明終わり
証明
命題7と同様です。
J = Rx とすると、3 が x で割り切れるので N(3) は N(x) で割り切れます。
N(3) = 9 なので、N(x) = 1 または N(x) = 3 または N(x) = 9 となります。
N(x) = 1 のときは、命題4より
x = 1, -1, w, -w, w2, -w2 のどれかになります。
N(x) = 3 のときは、
x = a + bw (a、b は Z の元)とおくと、
6 = 2N(x) = (a - b)2 + a2 + b2
であるから、
a - b, a, b の2乗は4以下となって、
a - b, a, b のうちの1個は ±2 で、他の2個は ±1 になります。
a - b が ±2 のときは、a = 1, b = -1 または a = -1, b = 1 となります。
x = a + bw = 1 - w または x = a + bw = -(1 - w) となります。
a が ±2 のときは、a = 2, b = 1 または a = -2, b = -1 となります。
x = a + bw = 2 + w = (2 + w) - (1 + w + w2) = 1 - w2
= -w2(1 - w)
または x = a + bw = -2 - w = -(2 + w) = w2(1 - w) となります。
b が ±2 のときは、a = 1, b = 2 または a = -1, b = -2 となります。
x = a + bw = 1 + 2w = (1 + 2w) - (1 + w + w2) = w - w2
= w(1 - w)
または x = a + bw = -1 - 2w = -(1 + 2w) = -w(1 - w) となります。
N(x) = 9 のときは、
x = a + bw (a、b は Z の元)とおくと、
18 = 2N(x) = (a - b)2 + a2 + b2
であるから、
a - b, a, b の2乗は16以下となって、
a - b, a, b のうちの1個は ±4 で、他の2個は ±1 または
a - b, a, b のうちの1個は 0 で、他の2個は ±3 になります。
a - b, a, b のうちの1個は ±4 で、他の2個は ±1 となることはありません。
a - b が 0 のときは、a = b = 3 または a = b = -3 となります。
x = a + bw = 3 + 3w = -3w2 または x = a + bw = -3 - 3w = 3w2となります。
a が 0 のときは、b = 3 または b = -3 となります。
x = bw = 3w または x = bw = -3w となります。
b が 0 のときは、a = 3 または a = -3 となります。
x = a = 3 または x = a = -3 となります。
したがって、J = R または J = R(1 - w) または J = R3 となります。
証明終わり
証明
J = R または J = R(1 - w) または J = R3 ですが、
J = R(1 - w) または J = R3 とすると、R(x + y) ⊆ R(a + b) なので
R(1 - w) ⊇ J = R(a + b) + R(2a - b) ⊇ R(a + b) ⊇ R(x + y)
となり x + yw = (x + y) - y(1 - w) なので
R(1 - w) = R(x + y) + R(1 - w) = R(x + yw) + R(1 - w) ⊇ R(x + yw)
となり
R(1 - w) ⊇ R(x + y) + R(x + yw) = R
となりますが、これはありえないので、J = R となります。
証明終わり
証明
x = e(a + bw)3 (e = 1, -1, w, -w, w2, -w2,
a, b は Z の元)とします。
まず a, b が互いに素である場合を考えます。
e = w とすると(-w のときも同様)、
x = w(a3 + 3a2bw + 3ab2w2 + b3)
= a3w + 3a2bw2 + 3ab2 + b3w
= a3w + 3a2b(-1 - w) + 3ab2 + b3w
= (a3 - 3a2b + b3)w - 3ab(a - b)
となって
a3 - 3a2b + b3 = 0
となるので、a3 + b3 は 3 で割りきれます。
よって
(a + b)3 = a3 + 3a2b + 3ab2 + b3
は 3 で割りきれ、したがって a + b は 3 で割りきれます。
a + b = 3c とおくと b = 3c - a より
3a3 + 27c3 - 27ac2 = 0
となって、a も 3 で割りきれることになるので、b も 3 で割りきれます。
これは a, b が互いに素であるということに反するので、
e = w, -w の場合はありえないということになります。
e = w2 の場合は(-w2 の場合も同様)、
x = w2(a3 + 3a2bw + 3ab2w2 + b3)
= a3w2 + 3a2b + 3ab2w + b3w2
= a3w2 + 3a2b + 3ab2(-1 - w2) + b3w2
= (a3 - 3ab2 + b3)w2 + 3ab(a - b)
となって
a3 - 3ab2 + b3 = 0
となるので、a3 + b3 は 3 で割りきれます。
よって
(a + b)3 = a3 + 3a2b + 3ab2 + b3
は 3 で割りきれ、したがって a + b は 3 で割りきれます。
a + b = 3c とおくと b = 3c - a より
3a3 + 27c3 - 27ac2 = 0
となって、a も 3 で割りきれることになるので、b も 3 で割りきれます。
これは a, b が互いに素であるということに反するので、
e = w2, -w2 の場合もありえないということになります。
e = 1 のときは(-1 のときも同様)、
x = a3 + 3a2bw + 3ab2w2 + b3
= a3 + 3a2bw + 3ab2(-1 - w) + b3
= 3ab(a - b)w + a3 - 3ab2 + b3
より
ab(a - b) = 0 となって、a = 0 または b = 0 または a = b となります。
a = 0 ならば (a + bw)w2 = b は Z の元、
b = 0 ならば a + bw = a は Z の元、
a = b ならば (a + bw)w = a(1 + w)w = -a は Z の元であることから、
a + bw または (a + bw)w または (a + bw)w2 は Z の元ということに
なります。
a, b は互いに素ではないときは、
a/c, b/c が互いに素になるような Z の元 c をとると、
(a + bw)/c または (a + bw)w/c または (a + bw)w2/c は Z の元
なので、
a + bw または (a + bw)w または (a + bw)w2 は Z の元ということに
なります。
この Z の元を z とおくと、x = z3 となります。
証明終わり
証明
N(x + y)N(x + yw)N(x + yw2) = N(z)3
なので、
N(x + yw) = N(x + yw2) = 1 とすると、
命題4と同様にして
x = 1, -1, y = 1, -1 となり、x + y = 0 または x + y = 2 または x + y = -2 となります。
よって
N(z)3 = N(x + y) = 0 または 4 となって、
z は 0 ではないので、これを満たす N(z) は存在しません。
したがって N(x + y) < N(z)3 となります。
|x + y| < |z|3 となり、
|s3t3u3| = |x + y| < |z|3
となります。
|u| = 1 とすると、s3 + t3 = u3
より |s + t||s2 - st + t3| = |u|3 = 1
となって s2 - st + t3 = 1 となります。
命題4と同様にして
s = 1, -1, t = 1, -1 となり、s + t = 0 または s + t = 2 または s + t = -2 となります。
よって
|u|3 = 0 または 4 となって、
u は 0 ではないので、これを満たす u は存在しません。
したがって、|u| は 1 ではありません。
また、同様に、|s| も |t| も 1 ではないので、
m を |x| と |y| の大きいほうとすると、
|s3t3u3| = |x + y| ≦ 2m より
|s3| < m、|t3| < m、|u3| < m
となり、|s|, |t|, |u| は、|x|, |y|, |z| の最大のものより小さくなります。
証明終わり
証明
R が単項イデアル整域であることから、
A = (a)、B = (b) となる a, b が存在します。
a ∈ (b) であるから、a = bc となる c が存在します。
a = bc ∈ (b)(c)、bc = a ∈ (a)、(b)(c) = (bc) ⊆ (a) であるから
(a) = (b)(c) となります。
証明終わり
証明
(1 - w)(D + E) = (1 - w)D + (1 - w)E = (1 - w) であり、
R が整域であることから D + E = (1) となります。
D + F, E + F についても同様です。
証明終わり
証明
(R(1 - w))3DEF = (Rz)3 であるから、
z3 は 1 - w で割り切れます。
N(1 - w) = 3 は素数なので z は 1 - w で割り切れます。
(R(1 - w))3DEF = (R(1 - w))3(R(z / (1 - w)))3 となって
R が整域であることから DEF = (R(z / (1 - w)))3 となります。
命題10より
D = K3, E = L3,
F = M3
となる R のイデアル K, L, M が存在します。
証明終わり
証明
R が単項イデアル整域であることから、
L = (a + bw)3 となる整数 a、b が存在します。
(x + yw) = (1 - w)L3 なので x + yw = e(1 - w)(a + bw)3
となる単数 e が存在します。
x, y は奇数なので、x + yw ≡ 1 + w (mod 2) となります。
(a + bw)3
≡ a3 + a2bw + ab2w2 + b3w3
≡ a + abw + abw2 + b
≡ a + ab + b (mod 2)
なので
1 + w ≡ e(1 - w)(a + ab + b) ≡ e(1 + w)(a + ab + b) (mod 2) となります。
a ≡ b ≡ 0 (mod 2) とすると、1 + w ≡ 0 (mod 2) となりますが、
これはありません。
したがって a ≡ b ≡ 0 (mod 2) ではないので、a + ab + b ≡ 1 (mod 2) となります。
1 + w ≡ e(1 + w) (mod 2) となり、
e = 1 または -1 となります。
e = 1 のときは
x + yw = (1 - w)(a + bw)3 となります。
e = -1 のときは a' = -a, b' = -b とおけば
x + yw = (1 - w)(a' + b'w)3 となります。
証明終わり
証明
命題1と同様です。
(1) Ra + Rb ⊆ Ra + R(a - b),
(2) Ra + R(a - b) ⊆ Rb + R(a - b),
(3) Rb + R(a - b) ⊆ Ra + Rb
を示せばこの主張は成り立ちます。
まず、a - b - (a - b) = 0
が成り立ちます(*)。
(1) は、a ∈ Ra + R(a - b) は明らか、
b ∈ Ra + R(a - b) は(*)から分かります。
(2) は、a ∈ Rb + R(a - b) は(*)から分かります。
a - b ∈ Rb + R(a - b) は明らか。
(3) は、(3-1) b ∈ Ra + Rb は明らか、
a - b ∈ Ra + Rb は(*)から分かります。
証明終わり
証明
Rx + Ry ⊆ Ra + Rb
と Rx + Ry = R
から分かります。
証明終わり
証明
N(x + y)N(x + yw)N(x + yw2) = N(z)3
なので、
N(x + yw) = N(x + yw2) = 1 とすると、
命題4と同様にして
x = 1, -1, y = 1, -1 となり、x + y = 0 または x + y = 2 または x + y = -2 となります。
よって
N(z)3 = N(x + y) = 0 または 4 となって、
z は 0 ではないので、これを満たす N(z) は存在しません。
したがって N(x + y) < N(z)3 となります。
|x + y| < |z|3 となり、
|s3t3u3| = (1/9)|x + y| < |x + y| < |z|3
となります。
|u| = 1 とすると、s3 + t3 = u3
より |s + t||s2 - st + t3| = |u|3 = 1
となって s2 - st + t3 = 1 となります。
命題4と同様にして
s = 1, -1, t = 1, -1 となり、s + t = 0 または s + t = 2 または s + t = -2 となります。
よって
|u|3 = 0 または 4 となって、
u は 0 ではないので、これを満たす u は存在しません。
したがって、|u| は 1 ではありません。
また、同様に、|s| も |t| も 1 ではないので、
m を |x| と |y| の大きいほうとすると、
|s3t3u3| = (1/9)|x + y| < |x + y| ≦ 2m より
|s3| < m、|t3| < m、|u3| < m
となり、|s|, |t|, |u| は、|x|, |y|, |z| の最大のものより小さくなります。
証明終わり