乗法と除法の計算
10進数のかけ算
有理数 a に対して、
a × a のことを a2 と書きます。
a の右上に小さい 2 を書きます。
ここでは、書きにくいので a^2 と書くこともあります。
これはここだけの書き方です。
同様に a × a × … (n 個の積)のことをan と書きます。
10進数とは、たとえば 234 のように書いた数で、
これは 2×100 + 3×10 + 4 のことです。
10進数とは、
an×10n +
an-1×10n-1 + … +
a0
(ai = 0, 1, 2, … , 9)
のように表した自然数を ai を並べて
(anan-1…a1a0のように)
書いたものです。
かけ算を考えてみると、たとえば
23×45 = (2×10+3)×(4×10+5) = 2×4×100 + 2×5×10 + 3×4×10 + 3×5
となります。
このように、桁ごとにかけ算をやって、それを(桁をずらして)たせば
よいです。
かけ算のやり方
ここで、これをやってみることができます。
使い方
上の方に二つの数が表示されています。
この二つの数のかけ算をやってみることができます。
下の方に長方形の枠が並んでいます。
ここに数字を表示させることができます。
数字を表示させるには、枠の中をクリックしてください。
その位置によって次のような数が表示されます。
このようにして、ふつうのかけ算の計算のように
数字を表示させていくと、かけ算ができます。
最初の二つの数を変えるには「数を入力してください」というところ
のテキストボックスに
2けた以下の数を入れてsetボタンを押してください。
小数のかけ算
(10進数の)小数とは、たとえば 23.4 のように書いた数で、
これは 2×10 + 3 + 4×(1/10) のことです。
10進数の小数とは、m +
a1×(1/10) +
a2×(1/102) + … +
an×(1/10n)
(m は整数、ai = 0, 1, 2, … , 9)
のように表した有理数を m の後に小数点、その後に
a1a2…an を並べて書いたものです。
たとえば、小数 2.3 は 10 をかけると整数 23 になります。
このように小数は 10 を何回かかけると整数になります。
これは表示の上からは、小数点がなくなっただけです。
かけ算を考えてみると、たとえば
2.3×4.5 = 2.3×10×(1/10)×4.5×10×(1/10)
= 23×45×(1/100)
となるので、まず整数と整数のかけ算を行って、
その後小数点を入れればよいということになります。
10進数のわり算
整数の範囲ではわり算ができなかった場合でも、
小数の範囲ではできる場合があります。
例:
5÷4 を考えます。
5 = 4×1 + 1 なので、整数の範囲ではわり算はできません。
5÷4 を小数で表すには、まず、両辺に10をかけたものを考えます。
50 = 4×10 + 10 = 4×10 + 4×2 + 2
となって、まだわり算はできないので、さらに両辺に10をかけたものを考えます。
500 = 4×100 + 4×20 + 20 = 4×100 + 4×20 + 4×5
となるので、500 = 4×125 となって、5 = 4×1.25 となります。
5÷4 = 1.25 となります。
例:
5÷3 を考えます。
5 = 3×1 + 2 なので、整数の範囲ではわり算はできません。
5÷3 を小数で表すには、まず、両辺に10をかけたものを考えます。
50 = 3×10 + 20 = 3×10 + 3×6 + 2
となって、まだわり算はできないので、さらに両辺に10をかけたものを考えます。
500 = 3×100 + 3×60 + 20 = 3×100 + 3×60 + 3×6 + 2
となるので、これは何回やっても終わらないということがわかります。
これは小数では書けないのですが、むりやり小数で書いてみると
5÷3 = 1.66666… となります。
かけ算とわり算の関係
以下では、かけ算とわり算をやってみることができます。
かけ算のやり方
- (1) と (2) のところに数を入れてください。
- [>>] ボタンを押してください。
- [+] ボタンを押してください。
(1) のところが 1 減り (3) のところが (2) をたしたものになります。
- (1) のところが 0 になるまで [+] ボタンを押してください。
- [<] ボタンを押してください。
(1) と (3) のところが 1 桁左にずれます。
- また [+] ボタンを押してください。
- これを [<] ボタンを押しても (1) のところが 0 になるまで繰り返してください。
(3) のところの数がかけ算の結果の数になります。
- (4) のところを見ると、どういう計算だったかがわかります。
(4) のところの意味は次のようになります。
(1) と (3) のところが n 桁右にずれているとします。
すると、(1)×10n×(2)+(3)×10n
の値は、[+]、[-]、[<]、[>]ボタンを押しても変わりません。
この様子が(4)のところに表示されます。
左辺は最初の値で、右辺は途中の値です。
わり算のやり方
- (3) と (2) のところに数を入れてください。
- [>>] ボタンを押してください。
- [-] ボタンを押してください。
(1) のところが 1 増え (3) のところが (2) をひいたものになります。
- (3) から (2) がひけなくなるまで [-] ボタンを押してください。
- [<] ボタンを押してください。
(1) と (3) のところが 1 桁左にずれます。
- また [-] ボタンを押してください。
- これを [<] ボタンを押しても (3) から (2) がひけなくなるまで繰り返してください。
(1) のところの数がわり算の結果の数になります。
(3) のところの数があまりになります。
- (4) のところを見ると、どういう計算だったかがわかります。
(4) のところの意味は次のようになります。
(1) と (3) のところが n 桁右にずれているとします。
すると、(1)×10n×(2)+(3)×10n
の値は、[+]、[-]、[<]、[>]ボタンを押しても変わりません。
この様子が(4)のところに表示されます。
左辺は最初の値で、右辺は途中の値です。