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聖書の暗号は本当か


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バイブル・コード検索ソフトによる徹底検証――久保有政著 徳間書店発行 絶賛発売中!


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高橋克彦(直木賞作家)
好奇心につられて読み進めたが、途中から怖くなった。聖書の秘密が明らかとなる。これが真実であるなら、私たちの役割ははじめから定められていることになる。驚異と驚愕のあとに神への畏怖が生まれた。人間はなんと小さいのだろう。
中川 学(一橋大学教授)
ここに姿を現わしたバイブルコードは、あたかもDNAのように「過去の解読」と「未来選択のヒント」に満ちあふれている。そこにメシアの再来を見る思いの読者がいても何の不思議もない。


[内容をご紹介致します――目次]
 

プロローグ 最小スキップの集中現象で浮かび上がった暗号 11

原爆と聖書の暗号 12

偶然を越えているか 12/広島と長崎に落とされた原爆 15/現われた「ヒロシマ」「ナガサキ」 19/原爆の年月日は出るか 21/バイブル・コードの集中現象 24/なぜ「最小スキップ」か 28

第1章 偶然か偶然以上のものか 31

聖書の暗号の集中現象 32

集中現象はトーラーに限られる 32/トーラーは別格 34/トーラーは非常に正確に伝えられてきた 37/万一、間違いがあったとしても…… 39/コンピューターと聖書 41/聖書は神の書物か 43
   

リップス博士らの「聖書の暗号」研究 46

聖書の暗号の存在を数学的に調べたリップス博士たち 46/それが意味あるものか否かをどうやって知る? 47/互いに関連する言葉が近接して現われるか 49/ユダヤ人賢者の名前と生没の日付 54/『罪と罰』との比較 57
   

「白鯨の暗号」対「聖書の暗号」 60

「白鯨」にも暗殺事件の予言が見つかる? 60/「白鯨」のトリック 63/「戦争と平和」にも暗号があった? 66/標的の近く? 68/ゲティスバーグ演説でも? 71/もっとわかりやすいものを 75

第2章 過去の出来事で実証された聖書の暗号 77

日本と世界の出来事にみる聖書の暗号 78

地下鉄サリン事件 78/野口英世 82/光明皇后 84/明治・大正・昭和・平成の天皇 88/美智子妃との結婚 95/月面着陸 96/エイズ 97/ラビン首相暗殺事件 99/ケネディ大統領暗殺事件 101/阪神大震災 104/湾岸戦争(1) 107/湾岸戦争(2)108/ヒトラー 113/ユダヤ人ホロコースト 116/ユダヤ人を虐殺から救ったエステル 118/ユダヤ人を救った杉原千畝 122/キリシタン弾圧 124/その他 126

第3章 聖書の暗号は驚くべき知識を開示する 131

聖書の暗号で月の周期がわかった 132

月の正確な周期を聖書の暗号から導き出した 132/ユダヤ人は古代から月の周期を正確に知っていた 134/バイブルコードによって知った月の周期 136/ユダヤ暦の根本BHRDはバイブルコードで導き出された 140/モーセに与えられた知識 144/聖書は地球が何もない宇宙空間に浮かんでいることも知っていた 146
   

聖書の暗号とイエス・キリスト 149

旧約聖書とイエス・キリスト 150/イエス・キリストに関する情報が民数記に集中して現われる 152/なぜ民数記か? 156/反証実験の結果は? 160/好き勝手な情報は引き出せるか 163/仏教、イスラム教と、キリスト教 165/「モーセのような預言者」とは? 168

第4章 聖書の暗号は未来を予見する 173

経済恐慌・大地震・彗星地球衝突等と聖書の暗号 174

ラビン暗殺事件と湾岸戦争は前もって聖書の暗号で知られた 174/経済恐慌 175/現われた七つの年 179/二〇〇四年に経済恐慌? 182/関東大震災と未来の地震 184/西暦二〇〇〇年に大地震? 188/滅びたソドムとゴモラ 190/滅びなかったニネベ 192/666の独裁者 196/彗星の地球衝突 201/自分の未来は知り得るか 207/賭け事には? 211

第5章 様々な「聖書の暗号」 215

神の署名 216

神が暗号を組み入れた 216/トーラー以外にも聖書の暗号はあるか 219/イザヤ書五三章のスキップ・コード 220/詩篇二二篇のスキップ・コード 224/等距離単語列法 228/聖書中の「いろは歌」 230/日本の「いろは歌」にも暗号 230
   

聖書の本文と聖書の暗号 235

トーラーの内容 235/ヨシュアのカナン征服 237/カナン征服後 240/聖書はやはり正しい 242/聖書と科学 244/聖書の本文と聖書の暗号 246



―「聖書の暗号は本当か」より、プロローグの部分をご紹介します。―

原爆と聖書の暗号

 その日、私は、一九四五年に広島と長崎に落とされた原爆に関して、聖書の暗号を調べていた。イスラエルから取り寄せた聖書の暗号検索ソフトウェアをオフィスのパソコンに入れ、キーボードをたたいてコンピューターを走らせていた。「聖書の暗号」が本当なのか、それとも単なる偶然のいたずらに過ぎないのか、私はそれを実際に自分の目で確かめたかったからである。

偶然を越えているか

 聖書の暗号というのは、日本でもマイケル・ドロズニン著の『聖書の暗号』(新潮社刊)がベストセラーになったので、多くの方は耳にしたことがあるであろう。この本は、一九九五年のイスラエルのラビン首相の暗殺事件や、一九二九年の大恐慌、一九四五年の日本への原爆投下、一九六三年のケネディ暗殺、また一九九五年の阪神大震災等に関する情報が、聖書の本文の下に暗号として存在していたと主張して、話題をふりまいた。

 しかし、ドロズニン著の『聖書の暗号』については、その暗号検索方法に関して私は多分に問題を感じていた。というのは、この本のやり方では、聖書の暗号がはたして偶然を越えたものか、それともそうでないかを明確に示すことはできないと思ったからである。
 
 案の定、ドロズニン著の『聖書の暗号』に対して、ある所から甲高い批判の声があがった。オーストラリアの確率学者が、メルヴィル作の小説『白鯨』(英題はMoby Dick)でも、聖書中にあると主張されたと同じような暗号≠ェ見い出せたと言って、それをインターネット上で公開したのである。これは、小説『白鯨』にも本当に暗号≠ェ存在していると言っているのではない。ふつうの小説でもそうした現象は見られるのであって、なにも聖書に限ったことではない、すべては偶然のいたずらに過ぎないという、彼の主張なのである。

 これについて、最近テレビ番組の「世界ふしぎ発見」でも、聖書の暗号がテーマとして取り上げられたことがある。しかし、その最後には「白鯨の暗号」が取り上げられていた。それを見た視聴者の中には、「なーんだ、そうか。『聖書の暗号』は、やっぱり何も特別なものではないんだ。単なる偶然のいたずらなんだね」と納得させられてしまった人も多いようである。なるほど素人目には、「白鯨の暗号」も「聖書の暗号」も同じように見えるかも知れない。とくにドロズニン式のやり方では、同じように見えてしまう。しかし「白鯨の暗号」には、じつはトリックがある。そのトリックについては、のちほど解説したい。

 「白鯨の暗号」は、偶然の範囲内の現象として説明できる。しかし「聖書の暗号」については、私はこれまであれこれと実際にコンピューターで調べてみて、確かに偶然を越えた顕著な形での暗号≠ェ聖書中に存在する、と感じていた。それで、さらに詳しく調べようと思ったのである。その手始めが、広島と長崎に落とされた原爆に関してだった。

広島と長崎に落とされた原爆

 私がこれを最初に調べようと思ったのは、まず日本は、唯一の被爆国だということである。殺戮目的の原爆の使用を実際に体験した国は、今のところ日本しかない。また原爆は、二〇世紀になって初めて落とされた。広島と長崎に落とされる以前、人類は原爆というものを知らなかった。そして、原爆についてはそれが落とされた年月日も、場所もはっきりわかっている。だから、それは聖書の暗号を調べる上で興味深い事柄であると共に、調べやすい材料だったのである。

「原爆によるホロコースト」

 という言葉が、聖書中に暗号として見いだされるということは、ドロズニンの本の中にも解説されていた。「ホロコースト」とは大殺戮という意味である。「原爆によるホロコースト」は、旧約聖書の民数記二九章〜申命記八章にかけて、本文の下に暗号として見いだされる。ヘブル語(ヘブライ語)では一〇文字からなる長い文字列である。ここでいう「暗号」とは、「スキップ・コード」とも呼ばれるものであって、同じ文字数ごとに文字を拾っていくという方法に基づいている。

 たとえば、「日本」のことをヘブル語で「ヤパン」という。そして聖書のヘブル語の文章を調べていて、単語間の空白を抜かして、ある箇所から四文字間隔に文字を拾っていくと、そこに「ヤパン」という言葉が浮かび上がったとしよう。このとき、その浮かび上がった「ヤパン」という言葉は、四文字スキップで現われたスキップ・コードであるという。あるいは、スキップ間隔が四文字のスキップ・コードであるという。スキップとは間隔をあけて飛ぶこと、コードは暗号とか、略号の意味である。

 私はこの「スキップ・コード」という言葉をよく使っているが、別の人々は「等距離文字列法」(Equidistance Letter Sequences 略してELS)、または「等距離文字列」という言葉を使うこともある。みな同じ意味である。とくに、聖書中に見いだされるスキップ・コードは、「バイブル・コード」とも呼ばれる。これは「聖書の暗号」の意味である。ただ「暗号」というと、なにか浮いたような感じなので、私自身は「バイブル・コード」という言葉の方を好んでいる。しかし、日本では一般に「聖書の暗号」という言葉のほうがよく知られているので、本書では主として「聖書の暗号」を用いることにする。

 「原爆によるホロコースト」は、スキップ間隔が三一三三字のスキップ・コードである。このスキップ・コードは、聖書中にただ一度だけ現われる。また私は、「日本で惨事」という言葉が、聖書中にスキップ・コードとして現われるかどうかも調べてみた。とくに、「モーセ五書」とも「トーラー」とも呼ばれる旧約聖書の最初の五巻に現われるかどうかを調べてみた。モーセ五書(トーラー)とは、創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記の五つである。創、出、レビ、民、申と覚えてほしい。じつは、あとで詳しく述べるが、聖書の暗号という現象は、旧約聖書の最初の五巻――トーラーにおいてのみ、とくに顕著に見られる現象なのである。

 旧約聖書中の他の書物でも、幾つかは暗号という現象が見られる。しかし、とくに顕著な形で見られるのは、不思議なことにトーラーに限られる。だから、トーラーの五書とその順番を頭に入れておいてくれると、そのことが理解されるので、ぜひそうしていただきたい。さて、「日本で惨事」という言葉がスキップ・コードとしてトーラー中に見いだされるか否かを調べてみると、それは幾つかトーラー中に見いだされた。スキップ間隔の一番小さいものとしては、まず民数記七〜九章にかけて、三八九字スキップで見いだされた。さらに、スキップ間隔の二番目に小さいものとして、申命記二九〜三一章にかけて七五五字スキップで見いだされた。

 こうしたとき、本書では三八九字スキップのものを「最小スキップ」と呼び、七五五字スキップのものは「第二最小スキップ」と呼んでいる。第三番目のものがあれば、それは「第三最小スキップ」である。「最小スキップ」は、本書において非常に重要な考え方である。というのは、私たちは「最小スキップ」のスキップ・コードを調べることにより、聖書の暗号の集中現象≠ニいうものに遭遇するからである。じつは、関連した最小スキップのスキップ・コードの集中現象≠アそ、聖書の暗号が偶然を越えた形で存在していることを確証するものなのである。

 「日本で惨事」という言葉を、私はトーラーすなわちモーセ五書の全範囲を検索して調べた。その結果、その最小スキップのスキップ・コードが、民数記中に現われた。つまり、「原爆によるホロコースト」の近く、同じ民数記中に現われたのである。現われた「ヒロシマ」「ナガサキ」つぎに、「ヒロシマ」という言葉を、トーラーの全範囲を対象として検索してみた。すると、最小スキップのものは民数記四〜七章にかけて出た。これは「日本で惨事」のすぐ近くであり、「原爆によるホロコースト」の近くでもある。

 私たちはトーラーの全範囲を検索しているのだから、他の書物に出てもいいのである。スキップ・コードが創世記や、出エジプト記、レビ記等に出てもよい。ところが、そうした別の場所には出ないで、「原爆によるホロコースト」や「日本で惨事」の近くに、最小スキップの「ヒロシマ」が現われた。これが、聖書のスキップ・コードの集中現象≠ナある。関連した情報が、スキップ・コードとして特定の場所に寄り添うように近接して現われている。一方、「ナガサキ」は、最小スキップのスキップ・コードは申命記二章に現われた。「原爆によるホロコースト」は民数記から申命記のはじめにかけて存在しているから、これはそれと重なる位置である。

 繰り返すが、私は「原爆によるホロコースト」の周辺だけを検索してこう述べているのではない。調べている範囲は、トーラー(モーセ五書)全体である。しかし、すべてを調べて、最小スキップのスキップ・コードが「原爆によるホロコースト」の周辺に集中して現われているのである。また、
「爆弾」「B29から」も最小スキップでそのすぐ近くに現われた。爆撃機B29から広島と長崎にそれぞれ一発ずつ爆弾が落とされ、広島で約二〇万人、長崎で約一〇万人、計約三〇万人もの死者を出したのである。

原爆の年月日は出るか

 つぎは、原爆の年月日である。原爆は西暦一九四五年に落とされた。これはユダヤ暦では五七〇五年に相当する。聖書の暗号を調べるためには、ユダヤ暦で行なう必要がある。日本人が西暦以外に「昭和」「平成」といった暦を併用するように、ユダヤ人は西暦以外に彼ら自身の暦も併用している。それが「ユダヤ暦」である。ユダヤ暦は、月の満ち欠けを基本に定めた暦である。昔は日本でも月の暦(旧暦、陰暦)を使用していたが、それに似ている。私が原稿を書いている西暦一九九八年は、九月二〇日までが、ユダヤ暦の五七五八年である。九月二〇日の夕方の午後六時から、ユダヤ暦の「ティシュレーの月の一日」という日に入り、その日から五七五九年となる。

 ユダヤ暦の「日」は日没から日没までなのである。太陽暦でいう午後六時から、次の午後六時までである。またユダヤ暦の一年は、ティシュレーの月の一日に始まる。私たちのカレンダーでいう一九九八年九月二〇日の午後六時から、ユダヤ暦ではティシュレーの月の一日となり、ユダヤ暦の新しい年――五七五九年に入るのである。ただし彼らの暦は月の暦だから、この新年、元日が太陽暦で何月何日になるかは、毎年違う。大体九月から一〇月のいつかである。余談だが、ユダヤ暦には「新年」が二つある。一つはティシュレーの月(第七月)の一日、もう一つはニサンの月(第一月)の一日である。ニサンの月には有名な「過越の祭」が行なわれる。出エジプト記などに記されている「新年」は、ニサンの月のものである。

 しかし、今日ユダヤ人の間で祝われている「新年」は、実際はティシュレーの月のものである。ティシュレーの月の新年は、天地創造の時に由来する新年である。ユダヤ暦は、天地創造の年を「元年」として定めた暦なのである。前置きが長くなったが、これが「ユダヤ暦」である。さて、原爆が落とされた西暦の一九四五年は、ユダヤ暦の五七〇五年に相当するから、この年をコンピューターにインプットしてみた。するとそれはどこに現われたか。「五七〇五年に」という最小スキップのスキップ・コードは、民数記中に現われた。やはり「原爆によるホロコースト」「日本で惨事」の近くである。つぎにユダヤ暦で年と月の両方を入れてみた。「五七〇五年、アブの月に」と入れてみた。

 原爆が落とされた(太陽暦の)八月は、ユダヤ暦では「アブの月」である。この「五七〇五年、アブの月に」というスキップ・コードは、単なる「五七〇五年」とは別の場所であったが、それでもやはり民数記中に最小スキップで現われた。「原爆によるホロコースト」「日本で惨事」の近くである。
 つぎは日である。原爆は広島に八月六日、そして長崎に八月九日に落とされた。これらはユダヤ暦ではそれぞれ、アブの月の二七日と三〇日に相当する。
 
 こうしたことは、すべてインターネット上で調べることができる。インターネットには、西暦のカレンダーとユダヤ暦のカレンダーを対照して見せてくれるところがある。ユダヤ暦元年以来のすべての年に関して教えてくれるから、西暦一九四五年のところを調べれば、その八月六日と九日がユダヤ暦で何月何日にあたるかわかる、というわけである。西暦一九四五年の八月六日は、ユダヤ暦でアブの月の二七日にあたっていた。そこで調べてみると、原爆が最初に落とされたこの日について、「ああ、アブの月二七日」が最小スキップで、「原爆によるホロコースト」「日本で惨事」の近くに現われた。「ああ」は人々の嘆き、または神の嘆きなのか。また長崎原爆投下の日「アブの月三〇日に」、「二七日と三〇日」も近くに現われた。すべてトーラー中の最小スキップである。

 こうして、すべてが「原爆によるホロコースト」「日本で惨事」の近くに集中して現われたのである。
 
バイブル・コードの集中現象

この集中状況を示したのが、次の図表である。
 
 

 これらのスキップ・コードは、すべてトーラー(モーセ五書)の二三%の範囲内に集中して現われていた。この二三%の前半部分は広島原爆に関するものであり、後半部分は長崎原爆に関するものである。私はこの現象に遭遇したとき、驚きの念を禁じ得なかった。もし聖書の暗号が単なる偶然のいたずらに過ぎないならば、これら最小スキップのスキップ・コードは、トーラー全体にランダム(でたらめ)に散らばるはずである。ところが、散らばっていない。特定の箇所に寄り添うように現われている。

この意味するところは何か。

 たとえばここに、ある人が書いた歴史の本があるとしよう。人類の歴史の本である。その一ページ目から最後のぺージまで、すべて各時代の出来事がつづられている。古代のことや中世のこと、近世のこと、そして現代のことなどが次々と述べられる。原爆は、こうした人類史上において特筆すべき出来事であるから、その本の中にも述べられている。この本をコンピューターで検索して、原爆に関する言葉――「原爆によるホロコースト」「日本で惨事」「一九四五年八月」「広島」「長崎」……等がどこに現われるかを調べてみる。すると、それらの言葉は本のあちこちにランダム(でたらめ)に散らばって現われるであろうか。

 いや、散らばらないであろう。その本の中のある特定の箇所に、寄り添うように近接して現われるはずである。それは、その本が意味のある文章であり、一貫した歴史情報を述べたものだからである。聖書の暗号は、じつはこれに似ている。つまり、聖書の本文の下に、もう一つの隠された歴史叙述があるように思えてきたのである。トーラー、すなわちモーセ五書とも呼ばれる旧約聖書の最初の五巻が書かれたのは、紀元前一四〇〇年頃である。今から三四〇〇年も昔である。後に詳しく述べるが、トーラーの一言一句は、その三四〇〇年間全く変更されていないと考えられている。

 当時の人間は、もちろん西暦一九四五年の原爆投下や、その場所、その時について知り得るはずもない。ところが、その情報が聖書の本文の下に「暗号」または「予言」として隠されていたとは……。また「原爆によるホロコースト」というスキップ・コードを調べてみると、その九番目の文字は、民数記三一章一六節の次の本文上にあった。「主(神)に対する不実……それで神罰が主の会衆の上に下った」さらに、「原爆によるホロコースト」の最初の文字は、次の聖書本文の上にあった。

 「あなたが万一、あなたの神、主を忘れ、ほかの神々に従い、これらに仕え、これらを拝むようなことがあれば、きょう、私(モーセ)はあなたがたに警告する。あなたがたは必ず滅びる。主があなたがたの前で滅ぼされる国々のように、あなたがたも滅びる。あなたがたが、あなたがたの神、主の御声に聞き従わないからである」(申命記八章一九、二〇節)このように、スキップ・コード「原爆によるホロコースト」と、聖書本文との間には何らかの関連が存在しているようにも思えた。両者は全く関係がないわけではないのである。つまり聖書は、原爆に関するバイブル・コード(聖書の暗号)を通して、私たちにある種の警告≠発しているのではないかと、私には思えてきた。

なぜ「最小スキップ」か

 私はじつはそれまで、ドロズニン著の『聖書の暗号』や、聖書の暗号の発見者リップス教授の論文を読んでも、聖書の暗号についてなかなかピンと来なかった。やはりどこか間違っているんじゃないか、という思いがあったのである。ふつうに考えたら、こうしたスキップ・コードによる暗号≠ニいうようなものは、うさん臭いとか、ありそうもないことのように思える。ところが、実際にコンピューターを使って聖書を調べてみると、こういう現象に遭遇してしまうのである。

 じつは、ドロズニン著『聖書の暗号』の中でも、日本への原爆のことは取り上げられていた。ただし、彼の見いだしたスキップ・コードを見てみると、「原爆によるホロコースト」「五七〇五年」「日本」という三つの言葉が現われているだけである。一方、私がここに紹介したスキップ・コードは、「原爆によるホロコースト」「日本で惨事」「広島」「長崎」「爆弾」「B29から」「五七〇五年に」「五七〇五年、アブの月に」「二七日と三〇日」……と、場所も時も手段もより具体的である。たとえばドロズニンの場合、「原爆によるホロコースト」というスキップ・コードのすぐ近くにユダヤ暦の「五七〇五年」が出たと述べているが、彼の暗号表のヘブル語を見てみると、実際にはこれはその省略形である「七〇五年」という言葉にすぎない。

 私たちは西暦一九九八年を略して単に「九八年」と言ったりするが、ヘブル語ではユダヤ暦の五七〇五年を略して単に「七〇五年」ということがあるのである。しかし、これではユダヤ暦の四〇〇〇年代のことなのか、五〇〇〇年代、六〇〇〇年代のことか、本当ははっきりしない。一方、私が見いだした「五七〇五年に」は、省略形でなく、最初の「五」も入った形である。

 またドロズニンは、単なる「日本」というスキップ・コードが近くに出たと述べている。しかし、この言葉はヘブル語でわずか三文字に過ぎない。三文字程度の長さの文字列は、じつはスキップ・コードとして探すと、至る所に出現する。ヘブル語アルファベットは二二文字あるので、文字列の長さが一文字増えるごとに、スキップ・コードが偶然に出現する確率は平均二二分の一に下がる。四文字、五文字と長くなるごとに、出現確率は約二二分の一に下がっていく。だが、三文字程度の短い言葉だと、偶然の出現確率がまだ非常に高く、至るところに現われるのである。

 だから、「日本」というような短い言葉が「原爆によるホロコースト」の近くに現われたといっても、それが偶然なのか、偶然を越えて組み込まれたものなのかを判断するのは難しい。また、ドロズニンの手法だと「最小スキップ」(現われるスキップ・コードのうち、文字と文字の間隔が最小であるもの)ということが考慮されていないため、それが最小スキップとして現われたものなのか、それとも何番目のスキップなのかが全くわからない。そのために二、三の関連情報が近くに現われたといっても、それが偶然の範囲内の現象なのか、それとも偶然を越えて現われたものなのかを判断するのが難しいのである。

 私が「最小スキップ」の重要性を言うのは、そのためである。最小スキップというのは、そのスキップ・コードの占める範囲が最もコンパクトだということである。そして聖書には、最小スキップのスキップ・コードを調べていくと、関連情報が特定の箇所にコンパクトに集中して現われるという現象が続発するのである。じつは、「聖書の暗号」の存在を最初に数学的に明らかにしたリップス博士やウィツタム博士らの論文、またジェフリー・サティノーバー著の本の中でも、この「最小スキップ」の重要性が指摘されている。聖書の暗号が偶然を越えた形でも存在していることを明確に知るには、最小スキップに注目する必要があるのである。

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