終末論

終末の時代に起こること 第6章

終末の独裁者「獣」とは?

(その2) 「666」の意味

サタンはなぜ彼に「666」の数字を与えたか

サタンは神の真似をしようとした

 「ここに知恵がある。思慮ある者はその獣の数字を数えなさい。その数字は人間をさしているからである。その数字は666である」(黙示13:18)。

 終末の患難時代に現われる独裁者――黙示録が象徴的に「獣」と呼ぶこの反キリストの数字は、666であるという。
 彼の背後には、サタンがいる。サタンはなぜ666という数字を好むのか。
 それは、サタンは自分が神のようになることを欲した、ということに関係がある。彼は堕落の際に心の中で、「いと高き方のようになろう」と言った。
 「あなたは心の中で言った。『私は……いと高き方のようになろう』」(イザ14・14)
 もともと6は、神的なものにも多く用いられている数である。実際、6は、三位一体の第1位格、第2位格、第3位格の数1、2、3をかけ合わせたものに等しい。
  6=1×2×3
 また、1、2、3を足したものにも等しい。
  6=1+2+3
 このように1+2+3+・・・・というように1から整数を順に足してできた数を、数学的には「三角数」と呼ぶ。6は三角数の一つである。
 三角数に関して詳しいことは拙著『ゲマトリア数秘術』をご覧いただきたいが、簡単にいうとボウリングのピンのようなものである。ボウリングのピンは、最前列に1本、2列目に2本、3列目に3本、4列目に4本、合計10本並んでいる。つまり、
 1+2+3+4=10
 であり、このようなものを「三角数」という。三角形を形作るから三角数である。6は3番目の三角数、10は4番目の三角数である。
 三角数は、とりわけ神に関わるものに関して、聖書に頻繁に出てくる。三角形は、三位一体神を象徴する形だからだ。つまり、サタンは明らかに、三位一体神の真似をしようとしている。
 ところで、6を2回かけると36だが、36番目の三角数をみてみよう。
  1+2+3+・・・・+36=666
 666になる!
 またこの36は、三位一体の位格数1、2、3のそれぞれの3乗の合計として書き表せる。
  36=(1の3乗)+(2の3乗)+(3の3乗)
 このように、サタンが666という数字を好んだ背景には、明らかに、神の真似をしようとしたということが見えているのである。


666はゲマトリアである

 ところで、旧約聖書の原語であるヘブル語、また新約聖書の原語であるギリシャ語では、アルファベットはそのまま数字としても使われる。下記の表のように、アルファベットそれぞれに数値が割り当てられている。



 このようにヘブル語、ギリシャ語ではアルファベットは数字としての意味も持っているから、単語もまたある一定の数値を持つ。単語の構成アルファベットをそれぞれを数値に換算し、それらをすべて足したもの、これを「ゲマトリア」という。
  たとえば、キリストはサタンを「偽りの父」(ヨハネ8・44)と呼んだが、この「父」のギリシャ語ゲマトリアを調べてみると6になる。
  父 αββα
    1+2+2+1=6
 各アルファベットを数値に換算し、合計すると6になる。サタンは偽りの父なのである。


サタンは6、また666を好んだ

 だからサタンは、6または666という数字を、好んで用いるようになった。
 たとえば、バビロンのネブカデネザル王に関する次の聖書記事にも、それは見られる。
 「ネブカデネザル王は、金の像を造った。その高さは60キュビト、幅は6キュビトであった」(ダニ3・1)。
 この偶像には、6という数字が用いられた。また、その偶像のまわりでは様々な楽器が演奏されたが、とくに6つの楽器が中心とされた(ダニ3・5)。
 6に対するサタンの愛着は、これに始まったことではない。バビロンには、ネブカデネザル王よりはるか前、バベルの塔の時代に、ニムロデがいた。
 ニムロデはバベルの塔を建設し、至高の神にさからった人物であるが、彼の名のヘブル語ゲマトリアは、42の倍数になっている。この42は、6×6+6に等しい。
  ニムロデ 
  4+200+40+50=294
        =  42  ×7
        =(6×6+6)×7
 ニムロデは古代世界の人物だが、42という数字は、その後もサタンが好んで使っている数字らしい。42は、黙示録にしばしば現われる。
 「42か月間」は、患難時代に現われる反キリスト「獣」の活動期間である(黙示13・5)。42=6×6+6のうち、6×6は36ヶ月、すなわち3年を意味し、残りの6は6か月を意味する。合計3年半、または42か月である。
 またエルサレムは、患難時代に異邦人の軍隊によって、「42か月間」踏みにじられる(黙示11・2)。


ローマ帝国と666

 つぎに、ローマ帝国と666の関わりについて見てみよう。
 初代教会の時代に、ローマ皇帝ネロは、クリスチャンたちに大迫害を加えた。「ローマ皇帝ネロ」のヘブル語ゲマトリアは、次のような書き方では666になる。
  ネロ・カイサル 
  200+60+100+50+6+200+50=666
 ギリシャ語ではどうだろうか。これは666の2倍になる。
  ネロ・カイサル Νερων Καεσαρ
  50+5+100+800+50+20+1+5+200+1+100=1332
                   =666+666
 このように、ローマ皇帝ネロは、666に深く関係している。サタンは、大迫害者ネロに対しても、6の数字を用いた。
 しかし、これはヨハネの黙示録が預言している666の「獣」がネロであるということを意味しない。なぜなら、ネロは、黙示録が書かれたより以前の人物だからである。黙示録が預言しているのは、未来の人物である。
 サタンは、各時代に反キリストを出現させてきた。聖書でいう「反キリスト」は複数なのである(ヨハネの第一の手紙2・18)。黙示録がいう666の「獣」は、その最終最大のものである。
 ネロに限らず、ローマ帝国は、ユダヤ人またクリスチャンとキリストを迫害する反キリストであった。
 AD70年に、エルサレムの都は、ローマの将軍ティトゥスの率いる軍隊によって破壊された。このとき、多くのユダヤ人が死んだ。ティトゥスの名は、じつはギリシャ神話の神タイタンに由来している。タイタンのギリシャ語ゲマトリアも、666である。
  タイタン Τειταν
  300+5+10+300+1+50=666
 さらに、もう少しエルサレムの歴史をみてみよう。
 かつてエルサレムは、BC31年に、ローマ皇帝アルグストゥスがアクティウムの戦いでマルク・アントニーを破ったときに、ローマ帝国の一部となった。そしてAD636年に、サラセン帝国の支配下に入って、ようやく暴君たちの蹂躙から解放された。
 AD636年は、BC31年から数えて、666年目にあたる(紀元0年というものは無いから、AD1年は、BC1年の次の年である)。その間、エルサレムは暴君たちの支配下にあった。
 じつはローマ帝国の支配下にあった666年間だけでなく、その前後の時期においても、エルサレムは大体666年ごとに、異なる種類の支配を受けてきた。
 BC31年を666年さかのぼると、BC697年になる。これはちょうど、アッシリア王セナケリブがエルサレムを虎視眈々とねらっていた時期にあたる。この頃からエルサレムは、異邦人の侵略に悩まされていった。
 また、AD636年の666年後は1302年であるが、これはマムルークのパレスチナ支配が始まった1291年に近接している。
 また1302年の666年後は、1968年となる。これは六日戦争でユダヤ人がエルサレムを奪還した1967年に、ほぼ重なる。


ラテン王国と666

 反キリストという意味では、中世の堕落したカトリック教会も、まさに反キリストであった。
 教皇は、キリストの名のもとに、様々の悪を行なった。教皇に権力が集中しすぎたために、教皇の座は悪人の標的となり、彼らは教皇の座を得るためには何でもした。
 当時は、敬虔な者が選ばれて教皇になったのではなく、聖職売買や陰謀を通して悪人が聖職の地位についていたのである。
 中世のカトリックの文化は、「ラテン」という言葉で表されている。ラテンの人々や言語を示すギリシャ語ゲマトリアは、666である。
  ラテン Λατεινοs
  30+1+300+5+10+50+70+200=666
 ラテン文化のもとで、ユダヤ人は迫害された。ユダヤ人はラテンを、「ロミイト」と呼んでいた。これも666である。
  ロミイト(ラテン) 
  400+10+10+40+6+200=666
 このようにサタンは、これまで反キリストを出現させる際に、666という数字を好んで与えてきたことがわかる。


「獣」と666

 しかし、これらはすでに過ぎ去ったことである。多くの読者にとって、関心のあるのは、未来の666についてだろう。
 聖書によればサタンは、やがて終末の患難時代に現われる最終最大の反キリスト=「獣」に、再び666の数字を与える。彼が出現したとき、その人物の名前のギリシャ語ゲマトリア、あるいはヘブル語ゲマトリアを調べてみるならば、666になるであろう。
 ある人々は、かつてナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーが現れたとき、彼こそ聖書が予言していた「獣」だろうと思った。しかし彼の名前のヘブル語ゲマトリアは、444である。
  アドルフ・ヒトラー 
  200+30+9+10+5+5+80+30+70+4+1=444
 彼は、666以下の暴君にすぎなかった。
 私たちは、未来に現われる暴君の名前のゲマトリアに注目すべきである。
 ただし、私たちは将来、ある人の名前を調べてみたら666になったからと言って、その人が聖書の予言する反キリストだと、早合点してはいけない。なぜなら聖書は、終末の反キリストについて、他にも多くのことを予言している。
 「獣」と象徴的に呼ばれる患難時代の独裁者は、患難時代にはすでに再建されているユダヤ教神殿(第三神殿とも呼ばれる)を踏み荒らし、そこに偶像をすえ、自らを神を宣言する。
 かつて第二次世界大戦の前、ドイツにアドルフ・ヒトラーが現われたとき、彼は国民に救世主のように思われ、歓呼の中に迎えられた。同様に終末の「獣」は、多くの人々に、あたかも救世主のように迎えられることだろう。
 「獣」は傲慢にふるまい、多くの国々を支配する。またエルサレムを踏み荒らし、ユダヤ人やキリスト教徒を迫害する。
 しかし一方では、真の神による預言者がふたり、エルサレムに現われて預言活動をする。彼らは3年半の活動後、「獣」に殺されるが、3日半の後に復活し、昇天する。
 「獣」は世界に3年半君臨する。だが、やがて災害が頻発するようになる。また天変地異も起こり、人々は世界の行く末を思って不安になる。
 そしてついに、イスラエル北部の「ハルマゲドン」の地に、「獣」の軍隊が集結する。イスラエルを攻撃するためだ。そのときキリストが再臨(再来)し、彼らの軍を打ち破って滅ぼす。
 以上が、ヨハネ黙示録に記された「獣」に関する事柄の大略である。これらのしるしが伴って初めて、この独裁者が聖書の預言していた666の「獣」だ、と断言できるのである。
 ある人々は、これら「獣」に関する出来事は象徴的なもの、と解釈する。一方ある人々は、これらは文字通り世界に起こる、と理解する。私は文字通り世界に起こると理解しているが、最終判断は読者にお任せしよう。
 いずれにしても、それは世界にとって試練の時となる。最後の時が来るまえに、大きな試練がある。そのとき悪人はますます悪に傾き、正しい人はますます正しい行ないをするようになる、と聖書は語る。
 神につく者と、罪悪にとどまる者とが、明確に分かたれるようになる。神につく者は救われ、罪悪にとどまる者は滅びる。「獣」の側につく者たちは、すべて滅びる。
 私たちが注意しなければならないのは、「獣」が実際に現われたとき、「獣」の側につかないことである。
 「獣」は多くの人にとって、救世主のようにあがめられる存在となる。だが私たちはその本性を見抜き、彼の側につかないようにしなければならない。その判断において、666のゲマトリアが重要な意味を持つ。
 「666」の「獣」に打ち勝てるのは、イエス・キリストのみである。イエスのギリシャ語ゲマトリアは888だ(詳しくは拙著『ゲマトリア数秘術』)。彼だけが、この「獣」を討ち滅ぼせるのである。

久保有政

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