「エクレア地方開拓史」データファイル

■魔法系1
基本魔法系

[P]プレイヤーキャラクターも知っている設定
[M]マスターキャラには知っている者もいる設定
[D]設定のみで、基本的にゲーム中には出てこない設定
[S]ゲーム中、使用してはいけない設定

■基本魔法系[P]

 この世界で普及している一般的な魔法、「魔道,精霊術,神聖魔法」の3つを「基本魔法系」と呼びます。それぞれ、比較的簡単な方法で学ぶことができます。術者も多いので、少し大きな街に行けば、必ずこれらの術を使う者に会うことができるでしょう。

他の地域と比べて冒険者が多いエクレア地方では、他の地域に比べて、ずっとたくさんの術者を見かけます。

■魔道,魔術,黒魔法[P]:魔道師など

術者の呼称
魔道士,魔道師,魔法使い
魔法の分類
呪唱系
解説
 一般に「魔法」というときは、この「魔道」か「精霊術」(後述)の事をいいます。
 最も普及している魔法系の1つで、かなり多岐にわたって細分化されています。いまでは、かなりの数の分系があります。力の源は術者の持つ魔力そのものです。

 この魔法系を使えることが基本とした魔法も多く、「魔道士」と呼ばれる者にとっては必須の魔法系です。とくに「魔法学園」と呼ばれる場では、基本学科として扱われています。
 この魔法系を基本とする魔法系には、「召喚術」「付与術(エンチャント)」「聖霊龍魔法」などがあります。また、同じ魔法系でも、特定の用途に特化し、別の名称で呼ばれているものもあります。

 かなり普及している魔法系なので、教育体系も整っています。そのため、それなりの魔道士について修行すれば、ある程度までは誰でも使えるようになります(程度に差はある)。たとえ魔法に縁のない人でも魔法学校で学べば、“明かり”など簡単な魔法ならひと月ほどで使えるようになるでしょう。
 しかし、ある程度以上の魔法になると、生まれ持った才能がないと(呪文は知っていても)使うことができません。
 ある程度以上の術者になり。魔法のしくみを理解すると、オリジナルの魔法を作ることもできるようになります。

 古くからの慣習で、この系統の術者は、その能力に応じてさまざまな呼称を付ける習わしがあります。この呼称は、術者の実力や魔法の使い方,特性に応じて、あるいは自称で決められます。ただし、“導師”の称号は、“龍の導師”と混同しやすいため、魔法学園などの限られた場以外ではあまり使われません。

 ここ近年で、最も強力な魔道師は“スペルマスター”セラフィーナです(すでに死去)。

[P]:魔法学校関係者
 「魔法学校」で教える魔法は、攻撃魔法では「家1件を壊せる程度」の物までです。これ以上のレベルの物は、それぞれが自分で研究したり、より強力な術者に弟子入りするなどして身につけなければなりません。
 なお、魔法学校の終了過程では、あるテーマに沿った“研究”が課題として出されます。これには、“古い魔法の研究”“魔法の応用的使用”“特殊な形式の魔法の習得”などがあります。

■精霊術[P]:魔道師など

術者の呼称
魔道士,精霊術師
魔法の分類
召喚・呪唱系
解説
 この地に存在するあまたの精霊達の力を借りて行使する魔法系です。
 見ため,使い方ともに「魔道」に似ていますが、別系統の魔法です。魔道が術者の力を使って術を発動させるのに対し、精霊術は精霊から力を借りて術を行使します。そのため、呪文も召喚系に近い内容になっています。

 「魔道」と並んで、最もポピュラーな魔法系の1つです。もっとも目にすることも多いでしょう。ふつう「魔法」と言ったときは、いかにも「魔道」をさしているようなイメージですが、ほとんどは「精霊術」をさしています。

 魔法の効果は、ほとんど「魔道」と変わりません。しかし、“精霊の力を借りる”という使い方をするので、「魔道」比べて術者の消耗が少ないという特徴があります。また、「魔道」に比べて制御しやすいという特徴もあります。反面、魔法を防ぐのも難しくありません。
 しかし、呪文の威力や効果の点から見ると、よく目にするようなメジャーな魔法ではそうでもないですが、ある程度以上のものになってくると「魔道」の方が上のようです。

 「精霊術」と「魔道」は効果が似ているため、簡単に見分けることはできません。術者の多くも、この2つを区別して使っていることは少なく、中には自分の呪文がどちらの魔法系のものかわからずに使っている者もいるようです。

 習得のしかたも、「魔道」とほぼ同じです。やはり魔法学校などで学ぶことができ、比較的簡単に習得できます。もちろん精霊術でも、ある程度以上の呪文は誰でも使えるというわけではなく、それなりの才能が必要です。また、精霊との交信が必要なため、その呪文や精霊にあった“属性”を術者が持っていないと、 呪文を使うことができません(または、使えても十分な効果を発揮できない)。

 ときどき「精霊術」は、“それが魔法である”という意識なしに、むしろ召喚術に近い形で、使われることがあります。“精霊の力を借りた魔法”である精霊術は、精霊に呼びかけることができる者なら、その力を使うことができるからです。これは、精霊と親しい者や感性の強い子供などによく見られます。

[P]:精霊術師など
 多くの点で似ている「魔道」と「精霊術」ですが、次の点でその違いを見ることができます。
  • 術者の外にある力(精霊)を魔法の源としている。
     そのため、結界など閉じた空間では「精霊術」は使うことができません。また、その精霊が周囲にいない場合は魔法を使えません。
     この欠点は、精霊の力を帯びたマジックアイテムを持つことで、解消することが多いようです。

  • 術者の属性やまわりの状況に術が左右される。
     術者の属性が魔法に直接影響を与えるので、たとえば水の属性を持つ者は、火の魔法が極端に弱いか使えないということがあります。また、術を発動させている精霊以外の精霊も影響を与えるため、森のように火を嫌う精霊が多い場所では火の魔法が弱くなるなどという事が起こります。
     「魔道」では、術者の体調などによって効果が影響受けることはあっても、属性や周辺状況に影響を受けることはあまりありません。

  • 術そのものの応用が利く。
     決まった形で発動する「魔道」と違い、魔法の効果を柔軟に変化させることができます。

  • 魔法系そのものの応用力が低い。
     反面、魔法系そのものが精霊に依存しているので、「精霊術」から他の魔法系に応用することが難しい。
     それに対し「魔道」は、「付与術」「紋章術」など、さまざまな魔法系に分化している。

■神聖魔法,白魔法[P]:神官など

術者の呼称
僧侶,神官,巫女,白魔道士
魔法の分類
召喚・呪唱系
解説
 聖なる力をもって行使されるとされる魔法の系統です。
 いわゆる「神の力をかりた」魔法であり、神官や巫女といった者が、この力を使います。そのため、それぞれの宗教に密着した魔法系で、宗教ごとに独自の呪文体系を持つことも少なくありません。祭儀などの儀式も、この魔法系に含むこともあります。

 一方、冒険者などがよく使う“回復”などの、宗教色の薄い魔法は、とくに「白魔法」と呼ばれます。「白魔法」という呼び方は、“神聖”という言葉の意味がそれぞれの宗教によって大きく違い、そういったことに捕らわれることの少ない冒険者流の洒落でしょう。もちろん、実用優先の冒険者たちだけに、「白魔法」には“回復”“解毒”“守り”など、旅に直接役立つ呪文が含まれています。

 この魔法系は、「魔道」や「精霊術」と比べると、少々分類があいまいになっています。

 「神聖魔法(白魔法)」には、傷を治したり病を癒したりする回復系の魔法のほかに、不死の魔物を追い払ったり、まやかしの力を打ち消す魔法もあります。基本的に“本来の姿に戻す”“あるべき姿に還す”という使われかたをする魔法が多いようです。
 一方で、“身を守る呪文”などがあります。また、「召喚術」に対して“送還”の効果を持つ魔法などもあります。さらに、それぞれの宗教に依存するものは、より複雑であいまいな分類になってきます(“火炎信仰”の宗派では、当然“火の呪文”が神聖魔法にあります)。

 習得方法もさまざまで、冒険者が使う「白魔法」は魔法学園でも学ぶことができますが、その他の神聖魔法は、それぞれの宗教の寺院で独自の儀式に沿って習得していきます。同じ効果を持った呪文を、異なる方法で習得することもあります。

[D]
 「神聖魔法」は、独立した系統のように考えられますが、実際にはその大半が「精霊術」と同等のものです。また、高度な術のなかには、「魔道」に属するものもあります。(もっとも、エクレアの住人がそれを認知しているかは、全く別の話である)

 つまり、「神聖魔法」や「白魔法」といった魔法は、人が決めた呼称でしかありません。少なくとも、この世界を管理する「聖霊龍」は、人が祈ったくらいでは力を貸してはくれません。
 ただ、僧侶たちの言う“神”がニセモノというわけではありません。それらの神は、精霊王や強い力を持った精霊(この世界における神)なのです。(精霊にとって)善い行いをすると、精霊たちは喜んで力を貸してくれるのです。「精霊術」との違いは、つまり力を借りる対象が“精霊”と呼ばれるか、“神”と呼ばれるか、ということになります(“教義”の有無などもありますが……)。

[M]
 唯一、古代宗教の「月信仰」に属する一部の宗派には、本当の意味での「神の力を借りた魔法」が存在します。それは、この宗派がこの世界の神“女神エルテイア”を信仰する宗派だからです。


「エクレア地方開拓史」Copyright (C)1996,2,23 KURUMI SUZUNARI (SAIKORO-ICHIZA), All Rights Reserved.
このページに関する著作権は、すずなりくるみ(さいころ一座)が所有します。 このページにある文章,図,タグ表現などを無断で使用・転載することを禁じます。

エクレア地方データファイル
エクレア地方開拓史トップページ