「エクレア地方開拓史」データファイル

■この地を守る聖霊龍
聖霊龍の設定

[P]プレイヤーキャラクターも知っている設定
[M]マスターキャラには知っている者もいる設定
[D]設定のみで、基本的にゲーム中には出てこない設定
[S]ゲーム中、使用してはいけない設定

■6体の聖霊龍

○龍の伝説 [P]

 この世界には、いにしえより言い伝えられている古い伝説があります。

――かの地を護るは六つの龍
   一つは遥かなる天空にあり その瞳をもってかの地を見守る
   一つは暗き深淵にあり その体躯をもってかの地を支える
   そして四つは四方にありて 時の流れを紡ぎ出す――

 この世界の6つの位置にいる“聖霊龍”。彼らは非常に強大な力を持ちこの世界を守護している、と言われています。

[P]:語り部など
 この言葉は、“言い伝え”として広い地域に伝わっています。そして“この世界を守る存在”がいる事、言い伝えからそれが“龍”の姿をしていることは、知られています。しかし、それがどのようなものかは、ほとんど知られていません。

 「エクレア地方開拓史」では、“龍”とは聖霊龍の事をさします。聖霊龍以外の竜族は“竜”の字をあてます。

○六霊龍 [M]:龍の道師,色の一族

 この世界は、“聖霊龍”と呼ばれる巨大な龍によって守られています。
 聖霊龍は全部で6体。遥か高き空にいる“天空龍”と、深き地の底にいる“深淵龍”。そして、東西南北の四方にいる四龍です。
 六龍はそれぞれ異なる属性を持ち、力の性質や使い方も属性によって変わってきます。

 天空龍は、天界にいて光の属性を持つ龍です。エルテイア時代には、女神エルテイアを乗せて空を駆けた龍で、六龍の長ともいえる存在です。この世界全体を見守る役目を負っています。性格は温厚ですが、冷酷な一面も持っています。

 深淵龍は、闇の属性を持つ冥界の主です。その役目はこの世界を支える事と冥界を治める事。六龍の中で最も強い力を持っています。やや破壊を好む性質をしています。

 四方の龍は、この世界ができた後、女神によって生み出された者で、他の二龍に対して従属的な立場にあります。しかし、二龍に劣っているわけではありません。
 風龍は東に位置する龍です。すべてに対して冷静にあたりますが、あまり物事に干渉しません。
 地龍は西に位置する龍です。今ある姿で安定する事を最も望んでいる龍です。
 水龍は北に位置する龍です。非常に温厚な龍です。急激な変化を嫌い、緩やかに変わる事を望みます。
 火龍は南に位置する龍です。物事をあるべき姿に変えていく、という性質を持っています。

[M]:聖霊龍関係者
 龍の道師(色の一族)は、自分に力を貸している龍については、ある程度知っています。しかし、それ以外の龍については、あまり知りません。

 六龍の関係は決して良いとは言えず、互いに対立する事も少なくありません。

○龍が守る世界 [M]:龍の道師

 六霊龍に共通する役割は“世界を守る事”です。エルテイア時代は、この世界を女神とともに駆け巡り、平穏に導いてきました。
 しかし、今、女神の姿はありません。この世界を守るのは聖霊龍だけとなりました。

 主を失った龍たちは、この世界を変える事を望みませんでした。彼らは、世界に安定をもたらし、世界を女神がいた頃のままに保つ事を考えました。いつの日か再び女神が姿を現すことを願い、女神が残した世界をそのままにしておく事を望んだのです。

 しかし世界は安定することはなく、常に変動し続けます。そこに生命の営みがあり、運命の流れがある以上、当然の事です。
 そこで聖霊龍は、世界の命運をあえて揺らすことで均衡を保つことを考えました。あるときには正、あるときには負……一時的には偏っていても、長い目で見れば均衡は保たれている――というわけです。

 こうして、聖霊龍によって世界の命運は運行される事になりました。
 均衡を保つ事を定められた世界。その均衡を得るために世界を揺らす。この均衡のため運命の揺れを、この世界の住人は“ゆらぎ”と呼んでいます。

[M]:聖霊龍関係者
 この地の守護者である彼らですが、決して人間の味方というわけではありません。時には力を貸すこともありますが、いつもそうとは限りません。むしろ、彼らがこの地に住む者に干渉することは、ほとんどないといえるでしょう。彼らが守るものは、あくまで“世界”なのです。

○均衡とゆらぎ  [M]:龍の道師

 世界の均衡を保つために、聖霊龍が起こす運命の揺れ、それが“ゆらぎ”です。
 “ゆらぎ”は聖霊龍とその力を受けた者によって引き起こされます。それがどのような形で起こされるかはそのたびごと違います。天候によるものであったり、龍の力を受けた者、あるいは龍が直接人に力を貸したり、時には純粋に破壊をもたらす事もあります。

 “ゆらぎ”は必ずしも良い方向にもたらされるとは限りません。
 聖霊龍の目的は“世界の均衡を保つこと”です。そのため、集い勢力を持った邪悪が生む“偏り”を打ち消すために、英雄と呼ばれた者たちに力を貸してきました。しかしその反対に、善が強まり力のバランスを破ることになっなたら……聖霊龍はそれすらも滅ぼしてきたのです。
 こうして、これまで多くのものの運命が変えられてきました。

 善と悪、聖と邪――聖霊龍にとっては、そんなものはまったく問題ではないのです。なぜなら、彼らの目的は世界の均衡を保つことだからです。
 闇を払うために輝ける光をもたらし、無明の闇で光を奪う。混乱を静めては太平をなし、ひとときの平穏を波乱へと導く――それがこの世界の管理者たる聖霊龍の在り方なのです。

[P]:語り部など
 ひとたび“ゆらぎ”が起きると、多くの場合大きな破壊が起こります。そして、ゆらぎがもたらされた者は、消滅してしまうのがほとんどです。

■伝達者と龍の巫女 [M]:伝達者,龍の巫女,龍の導師

 人の中には、龍の力を強く受ける者がいます。彼らは、生まれながらにその力を持っている者もいれば、何かの事件・事故をきっかけにその力を受ける者もいます。そして多くの場合、龍はその力を受けた者によって行使されます。

○伝達者  [M]:伝達者,龍の巫女,龍の導師

 龍の力の依り代として選ばれた者のうち、龍の声を伝える役目を持っているのが“伝達者”です。
 “伝達者”は“啓示”として龍の意志を聞き、より多くの者にそれを伝えます。特に強い力を持っているわけではなく、“龍の力を受けた者”としてはもっとも多くいます。

 彼らは普段、町や村などで呪術師や占い師として活動していたり、世界中を放浪して龍の意志を伝えてまわったりしています。また大きな国などでは、必ず1人から3人くらいの伝達者を持っているようです。

○龍の巫女  [M]:伝達者,龍の巫女,龍の導師

 “龍の巫女”は、さらに龍の力を行使する役目を負っています。
 しかしその力は、本人には扱う事はできません。力は龍の意志によって引き出され、龍によって行使されます。その間、彼女たち自身の意識はありません。龍に憑依されている、と言ったほうが良いでしょう。つまり彼女たち龍の巫女は、龍が降臨する時の器なのです。

 彼女たちは普段どこにも所属せず、世界を旅する者が多いようです。

[P]:王族,貴族(宰相クラス以上)など
 伝達者は“ゆらぎ”の予兆を伝えるために、龍の巫女は“ゆらぎ”を実行するために行動する事が多くあります。両者とも龍に操られる存在で、自ら力を使うとこはできません。また、龍の意志に抵抗する事も不可能でしょう。

 両者とも、龍の力を持たない者からは、古来より敬われると同時に恐れられてきました。

■龍の導師 [M]:龍の導師

 “龍の導師”は、龍の力を受けて者の中でも、特に強力な力を持っています。
 彼らも龍の力を行使する役目を負っていますが、巫女と違い、自分の意志で力を使う事ができます。

 人の身を通してとはいえ、彼らが使う力は聖霊龍の力です。とうぜん、その力は人や精霊などとは比べ物にはなりません。

 導師のみが使うことができる“聖霊龍魔法”。文字どおり、聖霊龍の力を使った魔法です。
 効果は通常の魔道などと似たものも多くありますが、その威力は数倍から数十倍。ちょっとした町すら一瞬にして消し飛ばしてしまうほどの威力です。また、魔道術や精霊術では引き起こす事のできない効果を持つ呪文もあります。
 “聖霊龍魔法”だけでも、導師の存在を揺るぎないものとし、他の者を恐怖させるのに十分といえるでしょう。

 龍の力の使い方は、それぞれ導師自身に委ねられています。
 多くの導師は、その人が持つには強力すぎる力を進んで使おうとはしません。力を持つがゆえに、その力の“業”を知っているのです。しかし、すべての導師がそうとは限りません。
 龍の力は、正しき心を持つ者のみに与えられるわけではありません。龍の力で人々を救う者がいれば、その同じ数だけ破壊のために龍の力を使う者がいます。聖霊龍がなぜ彼らに力を与えているかを考えれば、その理由は明らかでしょう。

 “龍の導師”の多くは、一つの場所に留まらず世界を放浪しています。その理由はさまざまですが、龍の力を悪用されるのを避けるため、というのが一番主な理由でしょう。

 “ゆらぎ”の多くは、龍が直接起こすのではなく、龍の指示を受けた導師が起こしています。そのため、龍の導師は“ゆらぎ”の際にその中心的な役割をつとめます。自分の意志で力を使える導師でも、龍の意志には抵抗はできないのです。
 ある年老いた導師がその死の間際にこう残したといいます。
 ――聖霊龍にとって、我々は所詮手駒にしかすぎなかったのだ――
 彼らもまた、聖霊龍によって運命を狂わされたものの1人なのかもしれません。

[P]:魔法関係者
 龍の導師は多くのものからは敬意を受けるとともに、恐怖や怨恨の目でも見られます。それは導師が“ゆらぎ”を起こす者だからです。そのため、多くの導師は導師である事を隠しています。

 かつて“ゆらぎ”に抵抗した導師もわずかにいます。その1人がプリムローズの母親、“スペルマスター”と呼ばれた“青の導師”セラフィーナです。しかし、彼女は非常に短命でした。

■“色”を冠する一族 [M]:龍の導師など

 龍の力を持つ者の中には、一族でその力を受け継いでいく者もいます。それが“色”の一族です。
 彼らは龍の伝説や伝承、聖霊龍の力を借りた呪文などを後世に伝え守っています。そして同時に、あまりに危険なこの力を何とか制御しようとしているのです。

 一族はそのすべてが龍の力を使えるわけではありません。親から子へと力を受け継ぐのはわずかで、力を手に入れる過程は他の導師や巫女たちとそれほど変わらないのです。

 “色”一族の導師は他の導師たちより強い力を持っているのいわれます。確かに数世代にもわたって龍の力を受けてきた彼らは、他の導師達にはない独特の力を持っているようにも見えます。しかしそれは、永い時のうちに彼らの持つ力がある特性を帯びるようになったに過ぎません。
 彼ら一族の力は、彼らがいにしえより伝える膨大な量の伝承や呪文にあります。聖霊龍についての確かな知識と長い間つちかわれた一族固有の魔法技術、そして永い時を戦い続けてきたその記憶が、彼ら“色”の一族の強さなのです。

[M]:聖霊龍関係者
 “色”の一族の多くは伝達者や巫女で、導師はわずかです。

 “色”と龍の関係は詳しく分かっていません。1つの“色”に対して複数の龍が力を貸すこともあります。また、聖霊龍の数と“色”の数は一致していません

 現在、青,緑,赤,白などの色が確認されています。


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