孫惣谷からウトウの頭


八ツの阿弥陀南稜に行こうか、甲斐駒前衛の雨乞岳に行こうかなど考えていました。万は宝永山を調べたが紅葉にはまだ早いとのことです。いろいろ考えて巨樹を見ながら奥多摩孫惣谷(まごそだに)林道を御供所(ごくうしょ)まで行き、ウトウの頭に上がってタワ尾根を下ることにしました。篶坂ノ丸(すずさかのまる)からオロセ尾根を下るルートも候補に入れて出発です。
日時 2015年9月23日
晋 万
4:00起床。万が少し早く起きてコーヒーを作ってくれたので準備は早くできた。若葉台5:07に乗り調布から分倍河原で乗り換え5:50。やっと明るくなってきた。立川6:00着。6:04の青梅行きに乗る。はじめは結構混んでいて、後ろの方でばらばらに座ったが段々降りて空いてくる。青梅の乗り換えはすぐ。7:18奥多摩到着。バスは7:27。東日原へ。晴だが薄い雲と言うか、少しもやっているというか、そんな感じだ。7:50東日原到着。支度して7:55出る。晴れて、稲村岩がよく見える。

カツラの大木
水場で水を飲むとその先が鷹ノ巣分岐、8:00。日陰はすこし肌寒い。右上に栃の大木があり下からも見える。すぎて8:10トイレ。下って橋の手前が鍾乳洞のバス停だが今はバスはここまで来ていない。小川谷橋を渡り、左へ日原林道に入る、8:15。すぐ日原渓流釣り場。道端に地蔵石像。林道を進み8:25伊勢橋を渡ると舗装が無くなる。8:30工事中を通過、但し今は休工中。その先、索道が見えて氷川鉱山入口。対岸に大きな滝が見えた。8:40工事の資材が置いてあるところに看板があってガニ沢のカツラはここから下る。カツラは元気だ。株立ちで、真っ直ぐ立つ。一回りして林道に戻る、8:50。カツラは林道からも良く見えた。すぐに右へ橋を渡る。橋の入口には落石あり通行禁止と看板ありゲートがあるが、歩いていると、御供所の石灰岩採石場の仕事車が走っていたので通行禁止は一般車のことなのだろう。それなら落石を理由にせずにそう書いた方が良いのではと思う。渡って孫惣谷林道に入り、ヘヤピンに登って水平になり、少し進むとオロセ尾根登り口の木の階段がある、9:15。更に進んで9:20鉱山の坑道入口があり、覗くとトンネルが奥に続いていた。カモシカ保護地域の看板が道沿いにあちこちに立っている。9:30導水管が孫惣谷を渡っている所を通過。9:35 2.5KMという表示があり右上に建物が見えた。

その先で道は右にヘヤピンに曲がる。9:40その角から孫惣谷に下る。案内書には木橋を渡るとあったが残骸のみ。沢を渡ったり渡り返したりしながら適当に上流に向かって進む。道は無い。美しい沢だがレールの残骸や鉄板が落ちているのは鉱山施設の残骸かな。9:55やっとこさカツラの木に着いた。ガニ沢のカツラよりも少し小さいかな。沢に落ち込む縁に立っている。やはり株立ちで根元すぐ上で大きく二つに分かれている。元気な木だ。前方に大きな堰堤あり、堰堤方向に向かう。堰堤の手前にも同じくらいの大きさのカツラがあった。さて、林道に上がるのだが、堰堤前から踏み跡ありと案内書にある。堰堤前を右に、ざらざら滑る急坂を慎重に登り、堰堤の上に出た。更にすこしよじ登ってみた。右に薄い踏みあとを見送って晋は様子見に更に上に行ってみたが、ここから林道は無理。晋が戻る間に万は薄い踏み跡を辿り斜面を下流方向にトラバース。晋も戻って続く。少しで上に向かう踏みあと?が出てきたので、よじ登り林道に出た、10:10。ちょっと苦労した。

少し戻るのでここにリュックを置く。林道を戻って10:15オリツキ窪。窪の右側から入る。すぐ落石避けの柵みたいのの上に出るとその上は落石避けかな?石垣が段々に連なる。最初左寄りに沢沿いに上がってみたら右手の方に鹿柵が見えた。石垣の段々の渡れそうなところをトラバースして鹿柵の方に行く。少し上がって鹿柵の下端に着いたら、少し上に大ツガが見えた。この鹿柵を一周すると案内書にあるので、左側から上がって行く。急だしザラザラして不安定なので危ない。注意して登る。大ツガは柵の中。立派な木だ。更に鹿柵に沿って上がる。不安定、危険。鹿柵に掴まって何とか登りきり、鹿柵の上の曲り角に出た、10:35。大きなブナがあった。ここから右に鹿柵に沿って行く。足元も安定してもう安心だ。少し行って下りになると左側にカツラの木が見えた。柵の中には幹が「ばくちの木」みたいに凸凹したおもしろい木がある。少し下にぐんにゃりと曲がったシナノキ。こちら側からも大ツガはよく見える。鹿柵の下を回りこんで10:45鹿柵一周終わり。ここから見ると踏み跡はちゃんとあり10:50林道に降り立った。登る時に左よりではなく右寄りに行けばよかったのだ。鹿柵一周は特に(下から見て)左側は危ないとおもう。

10:55リュックを置いたところに戻りさらに進む。ウトウ沢出会いのシナノキはどうやら見落とした。前方に石灰岩の崖が見えた。採石場の裏側になる尾根だ。更に進むと巨大な採石場。後ろから来た車(日産のピックアップトラックでナンバーが無いから採石場の車だろう)が止まり「行き止まりだよ、どこに行くの?、天祖山?」と聞かれたから「ウトウの頭」と答えると「アアあっちね」と言って行ってしまった。更に進むと前から車が来て「何処へ行くのか」と聞かれ「ウトウの頭」といったら若い人で分からないようだったから「御供所から右に上がる」と答えた。何でかなと思っていたら、少し行くと林道に立ち入り禁止の看板が見えたので、ここから入り込まれると困るということらしい。どうやらここが御供所。近づくと立入禁止の看板の下に目立たない小さい看板があり、「天祖山へ登山の方、登山道ここから」と矢印あり、11:15。右に上がる。階段だが草が茂って見えない。すぐ上に祠があったので参ってから、右に草を踏んで行くとすぐはっきりした道になった。

ウトウの頭の山名板
ジグザグに上がって少し下りモノレールを過ぎるとすぐに天祖山・水松山への下っていく道標と、来た方向に御供所・日原の道標がある所に出た、11:30。右に上がる。11:40モノレールと出会ってまた離れる。すぐ木に黄色のテープで御供所と矢印あり。ここは右へあがる。サイレンがなって発破、ドーンと大きな音が聞こえた。発破は3-4発あった。1-2分ですぐモノレールを越える。良い道が水平に進んでいる。少し行って、どうやらこれは中腹歩道だと分かる。このまま行ってウトウ沢右岸尾根に取り付いても良いが案内書の図をみるとどうやらモノレール沿いに上るようだ。戻ってモノレールの近くから上がりモノレールに沿って登る、11:50(あとでじっくり案内図を見たらモノレールに取付いた位置はすこし低すぎたようだ)。見上げるように急で、モノレールに掴まったりしながら登る。12:05右からウトウ沢右岸尾根が来て少し緩む。500M/1780Mの看板がある。少し上で昼食にした、12:10。シャツを一枚羽織るだけで丁度良い。ハエが多い。

12:50出る。初めは緩やかだがじきに急になり、13:00岩の多いところを通過。13:15 1000M/1789Mの看板あり、昼食の場所から500M来た。その少し上で左に大岩。そちらに上がってもよいが、そのままモノレールに沿っていく。13:20 1602Mに到着した。モノレールはまだ続くがモノレールとはここでお分かれ。ウトウの頭へ向かう。岩の結構多い尾根だ。13:30正面に岩が出てくる。見た感じ直登もできそうだが、右を巻く。13:35ウトウの頭との間のピーク。ロープが張ってあって我々が来た方向は止めてあった。ウトウの頭方面から来るとここで左下に大きく巻くようだ。さらに小ピークを幾つか越えて一登りすると13:45ウトウの頭(1587.9M)に着いた。ウトウを描いた山名板は2010年の陶板の他にもう一つあり二つになっていた。

お茶を飲んで13:40出発。14:00正面をロープで止めてあり、東日原へは右を指す木札が木にぶら下がっていた。地図を良く見れば、ここは尾根の分岐で、木札の通り右に行くべきだったのだが、晋はここは焼越尾根方面分岐と思ったので真っ直ぐ進む。すぐに急な下りになり踏み跡もない。磁石を出して方向を確認し、南東だから間違いないとさらに少し下ったがやっぱり変だと分かり14:05引き返す。14:10ロープの地点に戻り右へ下る。14:30篶坂ノ丸。左側の木の幹に赤ペンキでT字路を示す場所が多分オロセ尾根の分岐だ。少し右に行って様子を見ると尾根が下って行っている。もう14:30なので、下りで迷ったら時間的につらいので、今日はオロセ尾根はやめにして進む。またロープで止めてあり、ルートは右寄りの直進。

大きなキノコ?を発見
14:35左下にヌタ場が見えた。14:40金袋山。タマゴタケがあった。ここまで猛毒のドクツルタケ(イチコロと呼ぶ地方もあるほどの猛毒)は沢山あったがタマゴタケは初めてだった。14:50 1176M付近。右寄りに下る。ここは二重山稜風になっていて左寄りがやや高い。テープは全く無いので、足元の硬さで踏み跡を確認し地図を見ながら進む。14:55ちょっとあやふやになったが右寄りに踏み跡を辿ると右側の植林地との境を行くようになる。少し下ると左から綺麗な道が下ってきた。分岐にある木に赤ペンキで矢印が書いてあり、綺麗な道の方を指していた。15:00尾根が分岐する。ここは左へ。踏み跡ははっきりしていて問題ない。下って、少し上がって1007M、一石山、15:05。この付近から、ここまでは全く無かったテープが、出てきた。

すぐミズナラ巨木の分岐だが、今日は省略。すぐ先で右へ下る。但し小川谷林道へは下れないと書いてあった。少し先で日原方面右への矢印があり、正面は小川谷林道方面かな?止めてあった。下りは急だ。普通の登山道なら虎ロープのある程の下り。気をつけて下る。15:15上に見える大岩の方へ行く階段があるが止めてある。一石山神社の奥の院だろうか?昔はこちらを登ったのかな?そんな気もする。15:20ベンチのところ。左へ下る。どんどん下って15:35一石山神社に着いた。無事を感謝してお参り。降りて行くと鍾乳洞への観光客が大勢いた。15:40小川谷橋。鍾乳洞の駐車場が満杯なのでここで待っている車が数台いた。15:55鷹ノ巣分岐。すぐ中日原で、水場で水を汲み、数分で東日原バス停到着、16:05。バスはすぐに来た。今日は増発があって二台来た。16:17発。16:45頃奥多摩駅到着。16:57のホリデー快速に乗った。立川、分倍河原、調布乗換え、19:10帰宅。


孫惣谷林道の巨樹見物は結構大変でした。木そのものは目を見張るという大きさではなかったですが、なにせ近づくのに努力が要るので、なかなかの感激がありました。タワ尾根には紅葉しかかった木も僅かにありましたが全体にはまだ緑がたっぷりで、真夏の様に暑くはないし、気持ちの良い道でした。タワ尾根は1602Mからウトウの頭までの間は十数年ぶりでしたが岩稜になっているのは全く覚えてなかったのでびっくりでした。ウトウの頭から一石山まではルンルンですし、まったくテープが無いので、気は使ったが、好かったです。テープは無いほうが良いですけれども、テープがあるとほっとするという矛盾もありますね。晋は先週の山でひざの具合が悪かったので心配しましたが軽く痛いときもあるという程度で大丈夫でした。