奥多摩 鷹巣谷

奥多摩の沢にはあまり行っていませんが、ここは数少ない一つです。
日時 1984年7月1日(日)

4:30。目覚めるとすぐ外を見た。曇りでガス。ちょっとやばいかなあと思ったが、こういう日はえてして晴れるなどと自分勝手に考えて起床。一番電車は 5:09。溝ノ口で乗り換え南武線は 5:39発。立川の駅は昔と変わっていたのでびっくりした。昔の奥多摩線のホームはもう無くなって、綺麗になっていた。場所の感じがいまいちつかめぬ。立川発 6:39 で奥多摩へ。奥多摩 7:53 着。すぐに東日原行 8:05 発に乗る。東日原には 8:35 に着いてすぐに歩き出す。天気は晴れとなった。やった!

気持ち良く歩いて、鷹巣谷出会いには 8:45。6人組が先着。思い思いに体操をしている。パンの食べて、わらじをはく。6人組は早々に出ていった。9:00 いよいよ出発。丹沢と違って苔が多い、暗い感じの谷で、川苔谷と似ている。小滝をちょいちょいと超えて、地蔵の滝。10mも有るのかしら。水流が二つに分かれている間をジャブジャブと超えてしまった。少しで、堰堤。案内書に書いてある通り仕事道へ出る。沢を見ながらしばし行く。ぼちぼち沢に下りる頃かもと思っていると左に赤布がある。すぐ下りる。堰堤の上に出る。

少し行くと明るい感じの所で左手にわさび田。人がいる。わさび田の所の小滝は釜が大きく取りつけぬ。巻いて越えると、2m 位の堰堤に出る。ここから暗い。ゴルジュ丈の所。小滝を適当に超えていくと、くの字の滝に出る。越えてから振返るとなるほどくの字である。下から見ると良くわからぬ。くの字の下は簡単だが、曲がっている所から上が見えぬし良くわからぬので水流の右手の岩を超える。ちょっとだけ怖い。右岸は通行不能。通過 10:00 頃。

くの字の滝のすぐ上、右 (左岸) から小沢が滝になって流れ込んでいる。15m の滑滝は知らぬうちに越えたみたい。大滝は豪快。10:20。ここで、先行の 6人パーティに追いつく。丁度、3人目が登っている所であった。この人の登る所を見てルートを確認。先に行かせてもらう。右壁にホールド、スタンスともたっぷり。見た目より楽に登る。三分の二程の所にテラスあり。テラスまでの下段にはピトン二ヶ在った。一ヶだけスタンスに使った。上段は簡単。割に安定しているので、下を見る余裕もあった。が、少々膝ががくがくした。やはり少しは怖い。ここで 6人組を抜いたのでトップと思ったら、少し行ったわさび田に二人居た。飯を食っていたので、あっさり抜く。

じきに二股。(この時点では、先の大滝を 15mの滑滝と思っていたのでちょっとまごつく) 案内書は左に行くべしだったが、先に事情でここが案内書の二股か自信なし。岩の矢印があったので右に行く 10:30。結果的に水の戸沢に入ったことになった。わさび田の多い沢だ。30分ほど上がって 11:00。昼食にするラーメン。

11:30 出発。尾根まで後一時間で出られれば上出来と思う。12:00 又二股に出る。左は水在り。右は無し。ただ、右の方が本流の感じ強い。一旦は水在る左に入った。少しで水消える。駄目だと思い、戻り、右股へ入った。少し行って、もう水は出ないと思い、地下足袋を履く。わらじはもう駄目なので、帰りにバス停で、捨てることにして、とりあえず地下足袋につけた。少しでも足裏が楽になると考える。とにかく沢に沿って行けるだけ行く。だんだん笹が出てきた。12:20 頃、ついに沢筋は消えた。かすかな踏み後をたどって、藪こき。倒木の所で、踏み後も消える。後はすず竹のみっそうの中、もがきにもがく。

それでも少しずつ高度は上がる。途中、ネックレスを切ってしまった。すぐ気付きポケットに入れる。心細くなってきたが上のほうから人の話し声が聞こえてきたりして、後わずかと思われる。右手に鞍部が見え、それよりも大分高い所まで登ったと思ったので、上へ登るのを止め、右手にトラバース若干下がり気味に進む事にした。ちょっと楽。

13:05 尾根道に出る。どっと安心。下から二人連れが上がりつつある所。昼飯食いのタワを鷹巣山と思いこみ、そちらに向かいかけたが、この二人に聞き戻る。山頂 13:30 着。20人くらい思い思い休んでいる。山頂で、パンを食べ、紅茶を飲む。14:20 山頂出発する。15:40 バス停着。15:50 のバスに乗るため、ほとんど走らんばかりに頑張った。実際、一部は走った。稲村岩の所まで 45分。そこからバス停まで 35分だった。コースタイム 2:15 の所だ。疲れた。

バス 15:50。奥多摩駅発 16:20の電車に乗れた。効率良い。大滝の所で抜いた 6人組に頂上で聞いた所、彼らは金左小屋窪を登ったらしい。つめはやはり約一時間の藪こぎで、かすかに踏み後があったとの事。