「グインサーガ」・・・全100巻,外伝30巻の予定で刊行されている純国産のヒロイックファンタジー大作です。
著者は栗本薫、「レダ」や「魔界水滸伝」等のSFや「ぼくら」シリーズや「伊集院大介」シリーズ等の推理小説などでも有名です。
この方、中島梓という別名で随筆執筆やTV出演などをしたり、バンド活動や舞台等もこなす、またSF作家で編集者でもある今岡清さんの妻であり一児の母でもある超マルチ超アクティブな方です。
「グインサーガ」は1998年2月現在で本編59巻,外伝12巻が刊行されており、既に一人の作家が書いた小説としては世界最長を誇っています。
(SFのペリーローダンシリーズという化け物がありますが、あれは数十人の作家の共作です)
ヒロイックファンタジーというジャンルを知らない方もいらっしゃると思います。
一言で言うと一人(あるいは複数の)英雄の剣と魔法の冒険物語です。
(もちろん拡張やアレンジの幅は非常に大きく、この表現が妥当でない作品も多いです)
同ジャンルの作品で有名な物にシュワちゃん主演で映画化された「英雄コナン」シリーズがあります。
「グインサーガ」は基本的には、記憶も無く自分の正体も分からない豹頭の超戦士グインが世界の王になり、自分の秘密をつかむという物語なのですが(多分ね(^^;)、
グイン以外にも主役級のキャラクターがごろごろしており、それぞれのサーガが複雑に絡み合って一つの大きな物語になっているのです。
したがってグインサーガファンもそれぞれのお気に入りキャラが居る場合が多いようです。
(ちなみに私はグインとイシュトヴァーンのファンです)
1979年10月、当時高校2年生だった私が(うっ、年齢がばれる)四国の片田舎善通寺でも一番小さい書店で何気なく手に取った2冊の文庫本「豹頭の仮面」「荒野の戦士」からグイン生活が始まりました。
その夜一気に2冊読破したことを覚えてます。
それからというもの新刊刊行の情報を知るとすぐに書店に注文に走るという日々でした。
(そこの書店のお姉さんがちょっと栗本薫に雰囲気が似てたこともあって・・・)
大学時代の金欠と社会人になっての多忙さから一時期読書から離れていた時期もありました。(30巻刊行辺り)
最近多忙さは増しているにも関わらず、時間の使い方がうまくなり読書する時間を作れるようになりグインと再会できたわけです。
現在は37巻が入手できていないため、36巻まで読んだところです。
(先に外伝を読んでます)
物語のさわりを紹介しましょう。
中原の伝統国パロに新興ゴーラ三国の一つモンゴールが侵略戦争を仕掛けた。
不意を突かれたパロはモンゴールの手に落ちてしまう。
パロ陥落直前に王家の血を引く双生児リンダ&レムスを古代機械によって同盟国にテレポートさせようとするが、誤って辺境ノスフェラスとの境ケス川の畔に出現してしまう。
そこで記憶を失い自分の正体さえ分からない豹頭の超戦士グインと出会い、成り行き上同行することになる。
公女アムネリス率いるモンゴール軍の追っ手から逃れるためノスフェラスの砂漠に一行は逃げ込む。
途中モンゴールの傭兵だった沿海州ヴァラキア出身の野心あふれる若者イシュトヴァーンと出会い、多少ぶつかりながらも一行となる。
小人族セム、巨人族ラゴン等ノスフェラスに生きる者たちと出会い、協力しながらモンゴール軍から一行は逃げ・戦う。
途中リンダとイシュトのラブロマンス有、パロ奪回を画策するクリスタル公アルド・ナリス有、独自の自由な道を駆ける草原アルゴスのスカール有・・・・・
とこの辺までが辺境篇で5,6巻当たりまでの内容です。
この後陰謀篇だの戦乱篇だのパロが復興したり、モンゴールが復興したり、****と*****が***する一方なんと***が***と***するなど
36巻時点でもすごいことになってます(笑)。
要するに辺境篇でラインナップされたメンバーが離れ離れになり、新しい環境でそれぞれの夢と野望を求めるサーガが繰り広げられるわけです。
そしてそれぞれの環境で一応の成功を収めた者達が、最終目的に向かってまた絡んでくると言うわけです。
だからしばらく出てこないキャラクターも出てくるわけで、
「グインどこ行った」「イシュトは何してる」「ナリスは何考えてる」「スカールはどこ走ってる」「ヴァレリウスって誰や」(笑)てなこともあるんです。
初心者の方は「グインサーガハンドブック」を片手に読むことをお勧めします。
例によってグインサーガの話も一回では終わりそうにありません。
次回は人物像について話していきたいと思います。