四万十川の清流を前にして、洗濯洗剤を購入した。二十七グラムずつの小さい袋に入ったもので、水四十リットルに対して二十七グラムが適量とのことだ。ぼくは一日分の下着を洗うわけだから、洗面器に半分くらいの水しか使わない。水がせいぜい2リットルというところかな。そうすると洗剤は一・三五グラムしかいらないわけだ。二十七グラムの小さい袋が十袋入っているが、一袋で二十日分はあるってことだ。合成洗剤の濃縮度ってすごいし、こりゃ必要以上にどんどん使ってるな、と思った。これじゃ日本中の川が汚れるはずだ。ちなみに台所用の中性洗剤なんて、標準使用量は水一リットルに対して〇・七五ミリリットル(小さじ十分の一)。相当に薄めて使って十分なのに、テレビコマーシャルでもなぜか原液を使っている。
バスの中ではオランダ人一行と乗り合わせた。日曜日なのでバスは満員で、ぼくは終始立ったままだけど、本来歩いていくべきところをバスがぐんぐん登ってくれるだけでもありがたいという気持ちになる。途中、お婆さんが乗り込んで来たときにオランダ人は自然に席を譲った。若い女性グループや、子どもも座っているが、席を譲のはオランダ人だけ。大人がやらないから子どももやらない。子どもは、座ってゲームボーイやってる場合じゃないぞ。文部省もナイフを持つなとか、親と対話しようとか言っている場合じゃない。当たり前のことをできるようにしなきゃ。
昨日の種間寺の前の食堂に「この世に客として来ていると思えば、食事のうまいまずは申されまい。ありがたさを感じ、何でもおいしくいただくべし」というはり紙があって、食堂のくせにまずくても文句いうなとは何という言い草かと思ったが、旅行者は遊びに来させていただいている、という気持ちが大事だよなあ。他人の生活空間にずけずけ入り込んでいくわけだから。
だんだん悟りから遠ざかって、愚痴がでてくる。