「多摩都市モノレールの赤字解消と沿線産業の発展」

 東京都の産業振興ビジョン策定に際して募集があり、日頃の研修の成果として提言した。

1. プロジェクトのタイトル:「多摩都市モノレールの赤字解消と沿線産業の発展」

2. プロジェクトの目的:

 多摩都市モノレールを都市型産業の振興手段と考えて、コミュニティーとしての各都市が積極的に活用すると共に、 モノレール側もこれと連携してより使いやすいサービスを提供するという、双方向の協働(コラボレーション)により黒字化を図る。 そして更に、次の路線展開に結びつけ、より広範囲の多摩地域の産業振興を図る。そのための、ネットワーク作りを1つのプロジェクトとして立ち上げ、 その中で具体化を画策していく。行政はその立ち上げとその後の運営を支援する。 

3. プロジェクトの概要:

1)方法論
 上記目的を果たすためには、沿線各都市のネットワーク型研究・企画プロジェクトと、それに継ぐ実行プロジェクトが必要である。 そこには、市民、学校関係者(大学、小中高、専など)、中小企業、商店主、商工会、JC、各種専門家個人、行政など多様な人材を集める仕組みが必要になる。 そして、振興の基本はソフトであるとすると、いかにして人が活動し、モノレールを利用して移動するかがポイントになる。 人は移動する(出かける)と必ずそこで何らかの経済活動をすることになり、これが沿線に立地する産業の振興に結びつくことになる。 活動には時間が必要であり、如何に時間を使わせるかがソフトの焦点である。国際的な交流も視野に入れたアプローチを進める。

2)モノレール側の努力すべき具体的な点
  ・モノレールの存在、便利さの認知・理解の促進:初期インセンティブの利用
  ・高い運賃を車のトータル(駐車場代算入)コストと対比させPRする。
  ・車の乗り入れ規制と連携する。
  ・大学生の取り込み、関係者と連携した小中高の総合学習プログラムの開発推進
  ・主婦層の活動促進策の企画、沿線施設とのタイアップ促進
  ・モノレール会社社員の自立的な活性化による、周辺都市との連携強化
  ・車両の積極的活用   ・乗客への恒常的インセンティブ:短距離連絡割引料金(モノレールと私鉄、JR)
  ・沿線敷地にSOHO向けオフィスビルを他の資本と連携して建てる。
  ・多摩センターの先に2駅増やし、乗換たくない客を北へ運ぶ。

3)都市コミュニティーや周辺企業の留意点:プロジェクトで検討
  ・都市間が連携した活動の促進
  ・年齢層、社会構成層別の利用者を意識したアプローチ
  ・西武球場などとの連携強化(上北台以北)
  ・立川市(北口、南口)、多摩市の役割分担明確化とイメージ構築
   立川:周辺含めた地域の地域文化・情報センターの位置づけ
        更に、国際交流センターを設置し、交流の促進を図る
        南口に多摩地域のことを研究・教育する学校機能を新設する
     多摩:現代文化のセンター

4)横田空港構想との連動
  横田空港の民間利用により国際空港化し、モノレールを横に延長して空港に繋ぐ。
   (多摩地域は国際空港まで3〜4時間係り、国際化時代に取り残される懸念がある)

4.効果:

  ・乗客の増加によるモノレールの経営黒字化
  ・沿線都市の都市型産業の振興
  ・沿線住民の生活の質向上

5.問題点:

1)広域連携の仕組み作り(埼玉県、多摩全域市町村)
2)「都市」とは何かの理解や意識改革が進んでいない。
 実体としての、市民、学校関係者(大学、小中高、専など)、中小企業、商店主、JC、各種専門家個人などが、
その地域の産業振興が自分たちの生活の質を向上させるのだという認識に立つことが重要であり、そこから積極的な参加が生まれる。
3)「地域情報プラットホーム」の構築
 双方向性、ランダムアクセス、地域知識ベースの組み込みの条件を満たした、地域情報の基盤構築による、
第三者の参加可能性を高める仕組み作りが出来ていない。

6.必要な事:

1)地方分権の本質
 行政が地方分権の本質を理解して、住民と係わっているかが重要な課題となる。今回のような試みはその第一歩であり、 各種専門家を巻き込んだ本格的かつ大きな流れにしていく事が必要である。また、例えば”たまらいふ21”の時に出来た各種グループ 或いは現在活動中の各種まちづくり関係や地域のNPOを巻き込むのも重要である。
 特に、多摩地域には大学が多くあり、これらを地域に引き込むこと、そして積極的に活用することも考慮すべきことである。 若い30代、40代の中堅層の積極的参加を促すため、高齢者の役割を含めた分担制をうまく導入する必要がある。

2)自由なサロンの設置
 立川南口に、人が集まりFace to Faceの交流が出来る「多摩創りサロン」を設置する事が重要である。ただし、会員制にする方がよいかもしれない。

7.協力、提供出来ること:

 多摩地域に関する研究・企画プロジェクトへの参加と個別テーマの分担的な推進

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