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黄色い点は分子を表します。左右上下の矢印の付いた分子は,マウスでドラッグすることによりコントロールできます。ちょうどその分子をつかんで引っ張る要領です。そのようにしてこの分子を中央の分子集団(結晶)にまずはぶつけてみて下さい。分子の動きが激しくなり,分子集団の状態が変わります。矢印の付いた分子はいつでもコントロールできますので,気の向くままいろいろな場合を試してみて下さい。
分子間には分子間力(ファン・デル・ワールス力)とよばれる力が働きます。この力は分子が互いに近づくにつれて大きくなり,ある距離よりさらに近づくと逆に強い反発力となります。
固体(結晶)はこの力によって分子が規則正しくならんだ状態です。刺激で分子の運動が激しくなると,分子がお互いに接しながら動けるようになります。この状態は液体です。さらに運動が激しくなると分子が自由に飛びまわれるようになります。この状態は気体です。このように,分子運動の激しさで分子集団の状態が変化します。
この分子集団の温度は分子運動の激しさと理解されます。このアプレットでは壁は絶対零度としているため,分子が壁に何回も衝突すると分子の速度はどんどん小さくなり,分子集団の温度は絶対零度に近づきます。その結果,最終的に再び固体(結晶)になります。分子集団が冷却されて結晶になるようすをじっくり眺めてみましょう。この運動はそれぞれの分子間に分子間力を働かせ,4次のRunge-Kutta法を用いて計算しています。分子間力の引力は距離の7乗に反比例すると考えられており,それに従って計算しています。また同時に距離の9乗に反比例する斥力を与え,ある距離よりさらに近づいた場合に強力な斥力が働くようにしています。ポテンシャルエネルギーを右図に示します。
壁で跳ね返る際は壁の法線方向の速度を3分の1にしています。これは壁を構成している分子が静止しており,その質量が跳ね返る分子の2倍であることにほぼ相当します。また,壁の分子が静止しているということは壁は絶対零度であることを意味します。なお壁との間の分子間力は働かないとしています。
作成者:加藤徳善
(1997.5.13)