クオークを知っていますか。陽子や中間子はいくつかのクオークでできているといわれています。その考え方では陽子はアップという性質を帯びたクオーク2つとダウンという性質を帯びたクオーク1つの計3つのクオークでできています。このアップやダウンという性質はフレーバー(香り)と呼ばれています。しかし現実の香りとはまったく関係がありませんので注意が必要です。
クオークはゴムひものような力で強く結びつけられているので通常はバラバラになってしまうことはありません。そのような力のもとでのクオークの運動をみてみましよう。画面には黄色い点でアップクオークが,オレンジ色の点でダウンクオークが表されています。オレンジ色のダウンクオークはマウスのドラッグによってコントロールできます。
さてStartを押して下さい。クオーク運動が始まります。次にダウンクオークをドラッグして動かしてみて下さい。複雑な動きをしながら3つのクオークが飛び回ります。Stopで運動を一時的に止めることもでき,Startでまた動き出します。Stroboのクリックでストロボのように軌跡が残るようになります。その軌跡はStartによって消すことができます。
初めの状態にもどす場合はResetをクリックして下さい。距離に比例する力でお互いに引き合う3物体の運動を4次のRunge-Kutta法を用いて計算しています。計算は適当な単位系を用い,画面と同程度大きさの丸い壁で反射するように設定してあります。
実際のクオーク運動はこのような古典的描像では表せないものですが,これも一つの近似として興味深いものと思います。角運動量の保存や遠心力など,いろいろな物理的要素が見えかくれします。
作成者:加藤徳善
作成ノート
第1作の万有引力シミュレーションのバリエーションです。3体問題は解析的には解けないことで知られていますが,数値的には簡単に解くことができます。今後も多体問題のシミュレーションアプレットを続々作成しますので,よろしくお願いします。
(1997.3.20)
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