水平面上に重力の影響を受けない状態で物体が存在します。紫色の支えをドラッグしてみましょう。物体がつるまきばねの弾性力を受けて運動を始めます。支えを引っ張ることでこの系に仕事を加えるとこの系の力学的エネルギーE(右のピンクの枠の棒グラフ)は増加します。支えを動かすのをやめ,仕事を加えるのを止めると,力学的エネルギーは変化しなくなります。このように手が加える力のような非保存力が仕事を加えないと,力学的エネルギーは変化しなくなります。これが力学的エネルギー保存の法則です。
さて,力学的エネルギーEの内訳を見てみましょう。運動している物体のもつ運動エネルギーをK(赤い棒グラフ)が示しています。この運動エネルギーはばねを引っ張ることで減少し,ばねの持つ弾性力による位置エネルギーUe(灰色の棒グラフ)がその分増加します。逆にばねが縮む場合には,ばねの弾性力が物体に仕事をし,ばねの弾性力による位置エネルギーが減少する分,運動エネルギーが増加します。力学的エネルギーは運動エネルギーと位置エネルギーの単純な和ですので,このような過程で一定に保たれるわけです。
いろいろと物体を動かしたり,観察しながら,仕事と力学的エネルギー保存の法則の関係を理解しましょう。
制作:加藤徳善
(2005.1.30)