2000年がスタートした。心配されたY2Kの問題も小規模なものにとどまり、新しい年は順調に滑り出した。1990年代はバブル崩壊に始まり、戦後一貫して右肩上がりに成長してきた日本にとってつらい10年間であった。

 経済界では真の意味で旧来の枠組み(国家、財閥など)を越えた再編が進んでいる。10年前なら考えられなかったような合併や、再編が進んでいる。まさにグローバル化、メガコンペティションの時代である。日本のことだけを考えていれば良かった時代は終わり、常に世界に目を向けなくてはならなくなった。

 戦後50年以上日本の人々が一生懸命働き、培ってきた社会の枠組みが大きく変わろうとしている。年功序列、終身雇用、系列企業、株式持ち合い、グループ企業、メインバンクなど日本独特経営形態に基づいたものであり、1980年代後半は世界中から注目されたものが、新しいものに取って代わられようとしている。同時に劇的に進みつつある情報通信革命の波にもうまく乗りこなしていかなくてはならない。

 偏差値教育にあぐらをかき、入試で学力の高い学生をとることだけを考えてきた大学。以前は専門的な技術も能力もなくても、大学の名前で就職が決まっていた。企業は確実に変化している。有名な大学に行っても、能力も技術もなければ就職先を見つけるのは至難の業である。大学も戦後50年続いた教育の総決算をし、21世紀に通用する、世界中に通用する人材の育成をはかるべきである

元に戻る