1996年以降非常に厳しい就職状況が続いている。大学は卒業したのに、就職が決まらない学生が多数いる。一般的には単に景気が悪いから、大卒の就職も厳しいように思われている。

 バブル期は文系の時代で、いろんな技術を身につけたり額に汗して働くことよりも、土地転がしや株式で手っ取り早く金儲けをすることがもてはやされた。同時に大学での理系離れが進んだ。苦労して技術を身につけるよりも、株や土地に投資をした方が良いし、技術も資格も能力もなくても、誰でも就職できた

 文系の学部の中でも社会科学(法学・経済学・商学・経営学等)は本来社会に出て即戦力となるべき知識や技術を習得する学部であるべきである。実際に大学に入ると、時代は変わっているにもかかわらず、19世紀の理論を学んだり、実社会と全く異なる理論を学び、実質的には4年間のモラトリアム期間になっているものが多いのではないだろうか?企業は学生を採用した後に必要なノウハウを1から教えているのが現状である。

 理系の学部では工学部を中心として、最先端の技術を学び、習得した技術を生かせる職場に就職しているのが普通である。日本は技術しか売るものがないので、いかに不況といえども技術者が就職で困ることはほとんどない

 どんなに良い大学を出ても、何の能力も技術もない人間は職がない。学歴社会は終焉を迎えようとしている。景気が悪いから大卒の就職が無いのではない。大学は出たけれど社会で通用する技術や能力を備えていないから就職がないのである

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