「飽食の時代」といわれて久しいが、最近の子供をみてみると反抗する子供は非常に少ない。おとなしくなったといえばそれまでだが、逆に言えば、自己主張できない子供が増えているのではないだろうか?

 兄弟は少ないが、家は広い。生まれた頃から食べ物は潤沢にあり、テレビもビデオもそろっている。電話も一人1台の時代になりつつある。昔でいえば、食べ物も急いで食べないと兄弟に食べられる可能性もあっただろうし、テレビをみるにも1台しかないテレビを兄弟や親と交渉しながら、自分の好きな番組を見ていたものである。

 現代の家庭では、子供が何かを主張する場が極端に減ってきていると思われる。家庭で個人個人が自分の意見を主張しなくても十分な環境が整っているのである。しかし、このことは家族の中でさえ人間関係がすれ違ったままでも許される環境になってしまうのである。今、対人関係がうまく築けない子供がたくさんいる。この貧弱な人間関係をポケベルやPHSやプリクラが支えているのである。(PHSとポケベルプリントクラブ 参照)昔と比べて家庭の中は確かに豊かになった。ただ、テレビやビデオや電話やポケベルが、子供たちの心を豊かにしているのであろうか?

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