自分が子供の頃はもっと悪いことをしていたし、自分の子供と比べてもっと考えがしっかりしていなかったという人がいる。その上、自分ができなかったことを子供に求めるのはおかしいと思っている人が多いような気がする。

 教育においては、どの場面でも自分のことは棚に上げて正しいことを教えなければならないはずである。親も教師も自分のことと比較しながら教育したら、親以下またはその教師以下の子供しか育たないことになる。親は昔自分が悪いことをしたことがあっても、子供は悪いことをしてはならないのである。親が遅く帰ってきても、子供は早く帰ってこなくてはならないと思うし、親が酒やたばこを飲んでも、子供は酒やたばこを飲んでいいわけがない。人間聖人君子であり得るはずがない。悪いこともするだろうし、うまくいかないこともたくさんある。自分が悪いと思っている部分を生徒に教育できないとしたら、教師は誰も何もできなくなる

 教師はどこかで苦しい思いをしながら自分のことを棚に上げて教育しているものである。親も教師もこのことを自覚して子供の教育に当たるべきである。

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