最近子供が一人で食事をしている家庭が増えているという。もちろん子供が一人で食事をすること自体が特に珍しいわけではないが、親の都合ではなく、子供が自ら一人で食事をすることを望む家庭が増えているという

 このような家庭では、子供は自分の部屋で自分の好きなテレビを見ながら一人で食事をすることが多いそうである。子供にとっては自分の好きなことをしながら食事ができるわけであるし、親にとってみれば子供が落ち着いて食事をしてくれれば安心するわけである。親は子供を尊重し、お互いの時間を大切にしているという

 社会生活に置いては個人個人の利害関係がぶつかり、自分は一生懸命頑張っていても必ずしも成功するわけではないし、人から認められるとも限らない。学校生活に置いても仕事においても、人間関係は重要であるし、時には自分が気づかないうちに人を傷つけてしまうこともある。家庭でも、学校でも、職場でも、まさに心と心がぶつかり合いながら日々の生活を過ごしているのが普通である

 不登校になる生徒が増えていると言われて久しいが、不登校の大きな原因は周りの環境に適応できないことである。親子が個人と個人の価値観を戦わせることなく、お互いが心がふれあう時間を持たないことが快適であると考えるなら、社会において子供がうまく適応できるはずがない。小さいときから自分の思い通りになれば、妥協することも知らないし、人のことを思いやることもできなくなってしまう。自分の思い通りにならなくなったときに、不登校などの不適応症状として現れることが多いのである。

 子供のことを考え、子供たちのいうことを何でも聞くことが子供の可能性を伸ばし、自主性を育てると思いこんでいる人が多い。子供たちのこということを聞き、大人として子供たちを指導するのが親としての役目ではないだろうか?家庭の団欒の中で時には楽しく、時には心を傷つけあいながらお互いを高めていくのが本当の家庭ではないだろうか?物わかりの良い親であるほど、子供たちは親を乗り越えるハードルが低くなるのではないだろうか?物わかりの悪い親になろうではないか、子供たちのために!

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