一部のマスコミでは学校現場で教師がパソコンに習熟していないために、パソコンを教育活動で利用できていないかのような報道もある。現在パソコンを利用していない教員はほとんどいない。成績処理や生徒のデータの管理、学級通信や保護者への案内、学校の広報活動などパソコンを利用する場面は非常に多い。

 パソコンを買っている人のほとんどは何らかの形で「仕事で利用するため」にパソコンを買っているはずである。ただ、趣味のためであるとか、ゲームのためとか、インターネット専用のためにパソコンを買う人はほとんどないものと思われる。パソコンを買うのは投資に見合うだけの仕事の省力化ができると思うから買うはずである。仕事と何ら関係もないのに20万円も30万円もするパソコンがどんどん売れるはずがない。

 現在のところ児童生徒がコンピュータを持っていたとしても、テーマを持ってインターネットの環境を利用するか、E-MAILくらいしか活用方法がないのが現状である。ワープロやスプレッドシート、CGなどを学習したとしても、生徒は仕事をしていないし、一般の社会活動と密接に関わっているわけでもないので、全ての生徒がすぐに役立つことを教えられるわけではない。

 仕事を前提にコンピュータの利用法を考える場合は非常にわかりやすい。仕事をしていない人に「コンピュータを使うと何が便利なのですか?」と聞かれて、明確な答えを出せる人間はほとんどいないと思われる。学校現場では「仕事とコンピュータ」を切り離さなければならないので、一般的な利用法は通用しない。コンピュータに求めるものも生徒個人個人で当然異なっている。

 これから先はインターネットの環境が大きく教育現場も変えるものと思われる。個人が読み書きそろばんと同じように、社会に出る前に身につけておく必須の技術になるであろう。しかし、この面でも通信費の高さという問題から学校現場ではなかなかインターネットも導入できないでいるのが現状である。

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