最近おとなしい生徒が増えている。簡単に言えば反抗的でない生徒である。一見あまり手がかからなくて良いように思えるが、これが大きな間違いである。生徒のために、できるだけのことをしてやろうと教師は一生懸命するのであるが、すればするほど生徒はダメになっていくのである。極端に言えば、「他人は自分のために何でもやるのが当たり前」と言うのが、身にしみ着いているようである。

 これも小さい頃からすべてを与えられて育ってきたからなのだろうか?とにかく、教師が掃除をすれば、生徒の方はそれが教師の仕事だと思って安心して、誰も掃除をしなくなるし、入学願書などの書類でも、担任が「書いたあとにチェックする」と言えば、とたんに間違いだらけになってしまうのである。担任が最終的な責任を持ってくれると言う安心感で、自分はあまり注意を払わなくなるのである。

子供のために」と思って、親や教師がいろいろとしていることは、かえって子供をダメにしているのかもしれない。

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