18歳人口の減少により、大学や短大の競争率が激減している。2000年度の入試ではかなり多くの短期大学が競争率1.0倍に近い状態(あるいは定員割れ)、すなわち全員入学になる模様である。4年生の大学にしても一部の大学においてすでに同じような状況が見られる。ほんの3、4年前と比べても劇的な変化である。

 18歳人口はさらに減少していくので、ここ数年で経営が難しくなる短期大学、大学、専門学校が現れてくるものと思われる。4年生大学にしても2000年代後半にはほとんど進学希望者と、定員が同数となり、今の短期大学がおかれている状況になるはずである。大学も短大も危機感を高め、文部省の方針も変わったため、何とか早めに多くの学生を確保しようと推薦入試やAO入試(アドミッションオフィス)の定員を増やしている。推薦試験の種類も一芸一能、資格、自己推薦など多種多様なものができている。

 小学生や中学生の中には良い大学に入学するために受験勉強している人も多いことと思う。今の中学生や小学生が大学の受験を迎える頃には、大学の入試制度は全く変わっているものと思われる。また、良い大学に入学してもよい会社には入ることができる保証はない。企業は学歴をもはや重視しなくなってきている。よい大学を卒業するよりも、人より優れた技術や能力を重要視する傾向がますます強くなってきている。

 「大学に入るまで一生懸命勉強して、入ってから遊べばよい。」と思っている人がまだまだ多いのではないかと思われる。これからは大学には楽に入れるが、大学在学中に資格や技術を身につけ、その資格や技術を生かして就職する時代になっていくのではないだろうか?

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