大阪の教育大付属大学で子供達を無差別に殺すという痛ましい事件が起こった。たくさんの罪のない小学生が犠牲となり、助かった小学生にも精神的なショックは一生つきまとうものと思われる。犯人は精神障害者を装い、罪が軽くなることを計算しての犯行だったように思われる。

 少年事件や、精神障害者の事件になるといつも加害者の人権が問題になる。少年と言うだけで実名報道は無くなるし、責任能力がないと判断されて不起訴になった精神障害者が再び殺人事件を起こしたりしている。

 いつも加害者だけの人権が論じられているが、被害者の人権はどうなるのか?殺人にしろ、生涯にしろ、窃盗にしろ明らかな人権侵害である。被害者は勝手に実名で報道され、たくさんのマスコミが押しかけている。被害に遭い、また勝手に報道され、二重三重の人権侵害を与えられているのではないか?

 学校現場でも同様である。窃盗事件が起こっても人権上、犯人探しをすることは難しい。刃物を持ち歩いたとしていても、持ち物検査をすることも難しい。小学校や中学校では、たとえ刃物を持ち歩いていることを見つけたとしても、本人や親を注意することしかできないのではないだろうか?

 人権意識が高まってきたことは良いことである。人権とは本来自分以外の人権を尊重することが大切なことである。自分の人権を主張することは本来の姿ではない。法に背くものや、わがままなものの人権だけが尊重され、まじめに暮らしている人間の人権は踏みにじられても泣き寝入りするしかないのであろうか?

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