時代は21世紀に突入したにも関わらず、失われた10年のときの状況と全く同じかかえってひどくなっている感さえある。産業の空洞化、構造改革、不良債権問題等、戦後の政治官僚体制が先送りしてきた矛盾が一気に吹き出している感さえある。

 学歴社会も音を立てて崩れようとしている。90年頃まではとにかく大学に進学すれば、安定した生活を送ることができるという「常識」が社会を支配していた。その結果関東関西にとどまらず、九州や四国の地方の大学までとにかく大学に入りたい人間であふれ、「何を勉強するか?」ではなく、とにかく大学に入ることが目的となり、高校においても予備校に近いような受験指導が取り入れられていった。

 今、常識が揺らいでいる。有名大学出身で、優良企業に就職した者達がリストラされている。10年前では考えられなかったような大企業の倒産や、金融機関の破綻も相次いでいる。小さな頃から受験戦争に明け暮れ、土曜日も日曜日も塾に行って、有名大学に合格してももはや「幸せの切符」ではない。

 学校現場でも昔は受験指導が指導の中心であった。とにかく学力を付けて本人の実力と希望を考えて進学先を考えることが進路指導の中心であった。昔は良くも悪くもレールは1本でそのレールに乗るように指導してさえすれば良かった。今はそのレールがたくさんに分かれてしまった。時代の流れが速く、どのレールの先に幸せがあるのかなかなか見いだせない。学校現場も変革を求められている。

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