先日家内が牛乳パックで台所のガスレンジの模型を作った。子供達が思いのほか喜んで使った。次の日からレストランごっこをやっていた。

 ふと考えてみると現代のおもちゃはリアルさを追求することに全力を注いでいるのでは無かろうか?テレビゲームやコンピュータにおいても3D化をはじめとしてリアルな画像を追求している。ままごとセットや、人形なども限りなく本物に近い台所を模したり、掃除のまねごとができる掃除機のおもちゃなどがそれに当たるであろう。

 昔は粗末な遊具でままごとをしたり、ウルトラマンごっこをしたものである。砂場が家庭になったり、滑り台が滑走路になるには、そこにいる子供達がみんな豊かな想像力を働かせなくてはならない。想像力が無いものはその遊びに参加できないのである。

 現代は精巧なおもちゃがあふれている。精巧であるが故に子供達は想像力を働かせる必要がない。子供の能力を引き出そうと思ってたくさんのおもちゃを与える大人もいる。おもちゃを与えすぎることによってかえって子供達から想像力を奪ってしまっているのではないだろうか?

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