毎年清水寺で、その年を一文字で表す漢字が決められている。日本漢字検定協会が公募し、今年で7回目を迎える。2001年を表す漢字は「戦」に決まった。21世紀最初の年は「戦」で始まった。

 国内に目を向ければ、官界や政界を中心とした既得権益を守ろうとする戦いと、構造改革を進めようとする戦い。構造改革に伴う、リストラや失業やデフレとの戦い。農業分野においては有明海の海苔問題や、狂牛病との戦い。今年は様々なところで様々な人が戦い、まさに生活そのものが戦いだと言う感じさえする。

 海外に目を向ければ、9月11日の同時多発テロとそのあとのアルカイダやタリバーンと多国籍軍との戦いを始め、炭疽菌や他のテロ活動との戦い。イスラム教徒と言うだけでいわれのない差別を受けている者の戦い。ITバブル崩壊に伴う不況との戦いを強いられている者もいる。

 21世紀は「戦」の文字とともに始まった。確かに暗い話題が多く明るい話題は少ない年であったが、我々が戦っているのは戦いの先に「幸」があると信じて戦かっているはずである。苦しむために戦っている者などいない。この1世紀が暗い戦いに終始することなく、新しい時代にふさわしい「幸」に向かってみんな戦っているのだと信じたい

 元に戻る