改造小泉内閣で、柳沢金融担当大臣が事実上更迭され、竹中平蔵財政政策担当大臣が金融担当大臣を兼務する事となった。不良債権を集中的に処理し、銀行が本来の姿を取り戻すべく、強い政策が期待された。

 国会議員ではない民間の大臣は、しがらみがないので思い切った政策を取りやすい。一方で民間大臣は選挙の洗礼を受けないので、辞めることでしか責任を取ることができない。そのことが分かりながら、あえて民間の大臣を起用した小泉首相であるが、強いリーダシップを発揮することもなく、責任まで竹中大臣に丸投げしてしまっている状態である。

 政治家は選挙区や利益団体の支持を得て、国会議員になっている。社会全体が変化してきているのに、政治の世界では相変わらず、一部の業界団体や、労働組合、選挙区の意向を最優先に考えている議員ばかりではないだろうか?国会議員で責任が取れないことを、民間の大臣に押しつけているのではないだろうか?残念なことは、与党のみならず野党のほとんども同じような構造で、構造改革が一番必要なのは政界であることは明らかである

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