1月29日、5年ぶりに引率した修学旅行から戻ってきた。福岡から長野県の北志賀高原への4泊5日のスキー旅行だった。生徒は楽しく充実した日々を過ごせたようで、その顔はさわやかであった。

 4泊5日の旅行は生徒にとってはアッという間の日々であろうが、引率する方は生徒の健康管理や事故や怪我、生徒同士のトラブルや心配のつきない5日間である。生徒の起きる前に起床し、生徒が寝静まってから眠るという24時間勤務のような日が続く。自分の健康管理も気をつけなくてはならない。

 今回のように大した怪我や病気もなく修学旅行を終えるとホッとするものである。どんなに意義深いものであっても病気や怪我で健康を崩したり、生徒同士や他校とのトラブル、盗難などの事件が起こるとせっかくの旅行も台無しになってしまう。

 教師が管理を強めて「修学旅行を楽しくないものにしている」と思っている生徒もいるであろう。本当に修学旅行を楽しくないものにしたいのであれば修学旅行をやめてしまうのが一番簡単である。教師の目をかいくぐって、他の部屋に行ったり、夜中まで起きていることも生徒に取っては良い思い出であろう。事件事故が起こったり、生徒に干渉しすぎて修学旅行が後味が悪くなることを避けるために、教師は事前に指導したり、脅したり、なだめすかしたり、あの手この手を使う。その指導をかいくぐることが生徒の楽しみであることもいつの時代も変わらない。まるで「狐と狸のばかしあい」である。どちらが狐でどちらが狸であろうか?

 

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