アメリカのイラク攻撃がついに始まった、イラクを悪の枢軸と呼び、イラク国民をフセイン大統領の圧政から解放する為に戦争を始めたというのがアメリカの大義名分である。

 そのころからネオコンサーバティブ(Neo-Conservative)という言葉がよく聞かれるようになった。1980年のレーガン大統領が登場以来、新保守主義が世界の主流となり、アメリカのレーガン大統領、イギリスのサッチャー首相を初め80年代は世界の潮流は保守主義が支配的であった。アメリカではリベラルという言葉さえ嫌われた時代である。

 90年代はその反動か、イギリスも労働党政権に、アメリカでも1992年からクリントン民主党政権となり、ドイツでも緑の党の力を借りてシュレーダー政権が発足した。一つは1989年のソビエト連邦の解体、ベルリンの壁崩壊などの冷戦構造がなくなったことが上げられるが、一方でパレスチナ問題やコソボ問題など民族主義的な動きも出てきた時代である。

 2000年ミレニアムの年にブッシュ大統領が就任した。父親のブッシュ大統領以上に、野心をむき出しにし、ネオコンサーバティブの思想そのままにアメリカの価値観を全世界に押しつけようとしている感じさえする。ブッシュ大統領はキリスト教原理主義の思想を持ち、今度の戦争を宗教戦争だと言う人さえいる。

 20世紀は前半は帝国主義、後半は冷戦構造が支配した時代であった。民族問題、宗教問題も21世紀は複雑化している。21世紀の初頭に新保守主義を掲げてブッシュ大統領が登場し、アメリカの民主主義とグローバルスタンダードを世界各国に広げようとしている。このような世界情勢の中で21世紀はどのような時代に突入するのであろうか?

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