長崎で幼児が誘拐され、翌日死体で発見された。犯人は12歳の中学生だった。現行の刑法や少年法により、14歳未満のものには刑事責任年齢に達しない為、刑事事件の対象外となる。神戸の事件の後、少年法が改正刑事処分の年齢が16歳から14歳に引き下げられたが、14歳未満の者は刑事処分ができない。

 少年法の理念は犯罪を起こした者の人権を擁護するものである。少年がまだ幼いという理由で過ちを犯しても、再度教育し更正させる為のものである。犯罪を犯した者は人権を最優先に考えられ、命を失うという最大の人権侵害にあった者は何の補償もない。被害者は怒りを何処にぶつければよいのだろうか?

 少年に厳罰を科した方が犯罪が少なくなるかどうかは意見の分かれるところである。少なくとも罰を科した方が、科さないよりも犯罪が減るだろうと予想される。まして罰を科すことにより犯罪が増えることは無いだろうと思われる。子供であっても、重大な過ちを犯した場合は、社会的な責任を果たさなければならないことを教えることも必要かもしれない。

 厳罰化が少年の犯罪抑止に劇的な効果を上げるかどうかは意見の分かれるところである。視点が欠けているところは、単に厳罰化を抑止力にするのではなく、法律で厳しく禁じられていることを家庭や、教育現場などで伝えていくことである。自分の行動に責任を持つようになり、犯罪が少しでも減るのではないかと思われる。単に法律の改正のみを論ずるのではなく、教育も合わせて考える必要がある。 

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