ロ野球が歴史上はじめてストライキに突入した。労使双方の話し合いで2度目のストライキは回避され、ファンも安心したことであろう。

 多くの人たちは苦渋の決断の末、ストライキに突入した選手会の人たちを応援していたのではないだろうか。近鉄とオリックスの合併が焦点であったが、パシフィックリーグのみならず、セントラルの12球団の選手が一体となってストライキに参加する姿に拍手を送りたくなった人も多いであろう。

 今回の場合、明らかに経営者側に理解不能な言動がたくさん見られた。一つは近鉄をライブドアが買収したいといっているのに、それを拒否して、強引に合併を進めたこと。合併してもなお、赤字は残るという。もう一つは、5球団で2005年のシーズンを強引に開催しようとした点である。試合日程も複雑になるであろうし、試合のできない球団は必ず一つは残ることになる。もう一つは楽天にしろ、ライブドアにしろ新しく球団経営をしたい会社があるのなら、赤字で苦しい球団は新しい会社に身売りすれば、すべてうまくいくはずなのに、そのことを拒否し続けていた点である。

 今回の騒動の理解に苦しむ点は、経営者側がファンのことを考えずに、既成事実としてオリックスと近鉄の合併を進めたことである。さらに、1リーグ10球団制も既成事実のようになっていた。10球団が難しいと、11球団に固執した。経営者側は経営のことだけを考え(身売り出来ないのは、経営だけでなく企業としてのメンツもあるのか?)、ファンの気持ちや将来のプロ野球のイメージを描き切れていなかったのではないか?顧客(ファン)に見放された、企業に未来はない。

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