2003年暮れから景気回復が本格化し始めた、5パーセントか、6パーセントの経済成長率はバブル期並みの高成長で、このままデフレを克服し、日本の復活を果たせるであろうか?

 2005年を境に、労働力市場では劇的な変化が訪れる。1945年(昭和20年)、要するに戦後に生まれた世代が60歳を迎えることになる。ベビーブーム世代が2009年までに相次いで定年を迎える。 企業では比較的コストがかさむ高齢者が定年となり、新入社員を雇う余力が生まれるかもしれない。景気回復が本格化すれば、一転して労働力不足が深刻になるおそれが出てきている。

 今までは企業のリストラが少子化を上回るペースで進んできた。その結果、新規雇用は絞られ、400万人ともいえるフリータが存在している。現在、リストラも一巡し、企業収益も2000年のネットバブルの時期を越えるようになってきた。株価も上昇し、不良債権問題も沈静化しつつある。

 このまま順調に景気が回復し、ベビーブーム世代が退職を迎えると、企業は新たに雇用を増やすだろう。その時に、あらためて少子化の深刻さを知ることになるであろう。

 元に戻る