田中真紀子元外務大臣の長女の私生活に関する記事を記載した「週刊文春」が出版差し止めの仮処分を受けた。

 出版差し止めは、憲法で禁止されている検閲にもつながりかねない、重大な裁判所の判断である。表現の自由が脅かされる重大な事態である

 一方で、メディア側の報道姿勢はいかがなものであろうか?プライバシーをどう考えているのであろうか?いろいろな事件が起こっても、被害者は少年だったり、精神鑑定が必要な場合は名前は公表されないが、被害者の方は一方的に公表される。今回の事件でも、公共性もない記事で、私人のプライバシーを暴き立てるような報道が本当に必要なことであろうか?

 表現の自由とプライバシーの保護はどちらも日本国憲法で保証されている権利である。メディア側はもっとプライバシーの保護に気を配らなければならない。私生活がどこかでのぞき見られて、それが報道されるような社会は異常である。今回のような単なるゴシップ記事を掲載することで、逆に表現の自由を脅かした出版者側の責任は重い。

 メディア側は表現の自由を守るためになおさら、その記事に責任を持ち本当に社会に有益な情報を提供することに使命感を持つべきである。今回のような公益性の低い記事で、公権力の介入を許したメディア側の責任は大きい。

 

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