毎年清水寺で決められる、その年を象徴する漢字が選ばれるが、2004年は「災」に決定した。

 2004年を振り返ると、まず自然災害のひどさである。台風は日本列島に10個上陸し、新潟では大地震があった。多くの家が流されたり、避難生活を余儀なくされた。日本ではないが、12月にはいると、スマトラ島沖で地震が発生し、インド洋に面する多くの国々で5万人とも7万人ともいう多くの尊い命が奪われた。

 国際情勢でも、混迷の続くイラク情勢、拉致疑惑も解明できない北朝鮮問題。北オセチアで起こったチェチェン人武装勢力による学校占拠事件。世界中で紛争やテロが相次いだ年でもあった。

 国内に目を移すと、三菱自動車の不正疑惑に始まり、一場選手の問題で明らかになったドラフト疑惑、プロ野球球団の合併問題で大揺れに揺れて、ついにストライキにまで発展した。西武鉄道は有価証券報告書に虚偽記載をしていたことが発覚し、上場廃止に追い込まれた。経済界も大揺れに揺れた年だった。

 2004年は相次ぐ自然災害や、テロや拉致や戦争などの人による災いが相次いだ年でもあった。災い転じて福となすということわざがある。2004年の「災」が福を呼んで、2005年が素晴らしい年になることを願わずにはいられない。

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