日本が国連の常任理事国入りを目指しているにもかかわらず、靖国の問題をはじめ、竹島問題、教科書問題などで中国や韓国との間で、外交面で問題を抱え、アジア諸国から日本の立場を理解されているとは言い難い状況である。

 誤解を恐れずに言えば、中国では愛国教育という実質的には日本を敵視した教育を、韓国ではつい最近まで日本の映画や歌をはじめ、日本の文化の受け入れをかたくなに拒否してきた。確かに、日本は経済的にはアジアでは群を抜き唯一G7の仲間入りをしている。地理的に、日本の衛星放送が受信機を買えば、日本のテレビ番組を見ることが出来る両国では、日本文化の流入を制限しなければ、経済格差によるあこがれから日本の文化がドンドン流入してくる可能性があった。

 2004年は韓流という言葉がブームになるほど、日本と韓国の間で文化的な面でも友好的な雰囲気が出来つつあった。経済的には中国とも韓国ともますます結びつきが強くなって、もはや、切っても切り離せなくなってきている。文化面でも、ますます交流が深まろうとしていたが、2005年は両国との間で外交上の問題が次々と表面化している。

 日本はアジアを泥沼のように戦争に巻き込み、日本本土においても沢山の犠牲者を出し、その悲惨な経験を反省し、戦後は一貫して平和主義の本に、平和教育を貫いてきた。そのおかげで日本は戦争に巻き込まれることもなく、軍備に大量の税金をつぎ込む必要もなかったので、経済的に発展することが出来たのは明らかであり、諸外国からも評価されている。

 戦後60年の節目に当たる今年、今さら大東亜戦争を美化しても仕方ないことである。自国の歴史を正しく認識し、諸外国の理解を求めることが必要であることは火を見るよりも明らかである。中国や韓国に日本を敵視するのではなく、理解を求めていくことも必要である。外国の言いなりになるのではなく、外国に正してもらうことは正してもらわなくてはならない。経済面や文化面でアジアでますます交流が活発になっている今、外交面での進展が望まれている。

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