ライブドアによるニッポン放送買収の話題が連日報道されている。その手法はフジテレビがTOBをかけている間に、時間外で買収を進めるというモノであった。

 その後、フジテレビもニッポン放送の株の25%以上を取得し、買収合戦は法廷闘争となったり、SBIによる貸し株の問題に発展したりと、目が離せない。今までにブーンピケンズによる小糸製作所の敵対的買収などの騒ぎがあったが、今回のような本格的な敵対的買収が行われるのははじめてのケースである。

 日本の場合は、このような敵対的買収に対して法的な部分で未整備な部分が多いことが露呈された。今回の場合はその法的な隙間をついて、ライブドアがニッポン放送の株を買い占めたのであるが、倫理的な問題は本当にないのであろうか?フジテレビは古典的なムラ社会の理論で、ライブドアが本当に新しいタイプの企業なのであろうか?ライブドアが本当にニッポン放送を買収したいのであれば、フジテレビに対抗してもっと高い価格でTOBをかけるのが、本来あるべき姿であるような気がする。

 気になるのは、ライブドアの資金調達方法である。リーマンブラザーズから非常に不利な条件でCBを発行し、その資金でニッポン放送を買収している。ライブドアの株価は今年の高値から半値くらいの株価になっている。しかもリーマンブラザーズは買収が成功しようが、失敗しようが絶対に損をしない。むしろ、ライブドアの株価が下がれば下がるほど得をするシステムである。

 バブル期に世界中の資産を買いあさり、バブルが崩壊した後に外資に半値以下で買いたたかれた経験を忘れたのであろうか?新生銀行の例が記憶に新しい。8兆円の税金を投入したにもかかわらず、外資はわずか10兆円で新生銀行を手にした。日本の手法や法制度が未整備なために、ただ外資に食い物にされているのではないのであろうか?

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