5年間にわたる小泉政権が終わり、新しく安倍政権が発足した。小泉構造改革路線を引き継ぐ一方で、憲法改正や教育基本法改正を目指している。

 石原東京都知事は日の丸君が代の判決が出た日の会見で、「都立高校の現状を見てほしい。」と言っていたが、見るだけでは何の解決にもならない。実際に教育現場に行って、彼らを指導してほしいものである。どのような指導方法で彼らにアプローチし、指導していけばよいのか、実際に教壇に立って考えてほしいものである。

 教育現場は教育行政に振りまわされっぱなしである。文部科学省は「ゆとり教育」をあっさりと転換したが、誰が責任を取ったのであろうか?公務員が教育に当たるからダメになるのであろうか?教育に競争原理を持ち込もうとする人も多いが、競争する事でそんなに変わるのであろうか?私立の学校は教育の方針に合わなければ、小学校でも中学校でも退学にさせることができる。公教育は、どんなにわがままな生徒でも現場で対応するように指導される。

 教育現場ではどんなわがままな生徒にも対応し、病気や事故にも即座に対応しなければならない。生徒を頑張らせようとしても、問題にする保護者も多く存在する。いろんな問題を現場で即座に解決しなければならない。法律や理念とは別に、教育現場は様々な矛盾を抱え込んでいる。教育基本法を改正したり、日の丸君が代を強制するくらいでは根本的な解決にはならないであろう。

 このコーナーで何度も述べてきたが、「教壇に立たないものは無責任に何でも言える。」なぜなら、自分が生徒達と対峙することはないからである。「教師と生徒との信頼」と簡単に言うが、生徒数百人すべてと信頼関係をつくるのは膨大な作業である。反抗的な態度を取り、一方的に嫌悪感を表す生徒達にも誠実にアプローチしていかなければならない。「親子の信頼関係」でさえ揺らぎつつある今、法律をいじる前に政治家をはじめ、いろいろな人が実際に子ども達と接してそこから学んでほしいものである。

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