毎年この時期に、税制改革と一緒に毎年取り上げあれるのが、行財政改革である。公務員の人数が多いとか、無駄な出費を減らすとか、様々な意見が飛び出してくる。教員の給与改革の案まで出てきた。給与改革と言えば言葉は綺麗だが、簡単に言えば賃金を凍結、もしくは賃下げするための方策である。

 教育現場は、教壇に立たない人の理想論とわがままで、非常に苦しいところにいる。地域社会や家庭がなすべき事でも、全部学校に求められている。生徒用のコンピュータが導入されても、指導者はつかないし、オペレータや管理者でさえいない。コンピュータは入れたら、あとは教員の自主努力でコンピュータを教えなくてはならないし、ネットワークの管理も学校に任されている。学校の安全を図るためには、スクールポリスなどの導入も有効であると思われるが、学校内部の不審者の対応や、登下校の生徒の安全の確保もまた学校現場に任されている。しかも、予算は付かないから、すべて教職員のモラルに任されている。

 教職員の給与は、基本的には毎月完全に同じ金額を受領する。残業手当に当たるものはなく、どれだけ仕事が多くても深夜まで家庭訪問をしたところで、全く給料はかわらない。休日についてはわずかな手当がある(1日つき1000円程度)が、コンビニの時給より遙かに少ない金額である。日給1000円でだれが働くのであろうか?熱心に働けば働くほど、仕事が増える職場なのである。

 教職の現場はものすごい矛盾を抱えている。業務は年々多くなっている。(本来学校で対応するべきでもないようなことが、増えている)このような中で、教職員の給与を下げるというのはいかがなものか?これこそ国民に信を問うべきである。現在の教職員の給与水準でも、仕事の総量を考えると、全く割に合っていない。ほとんどの保護者や、子供の将来を考えている人が、本当に教職員の給与を下げることを望んでいるのだろうか?今の教育現場は、教師達の倫理観でどうにか持ちこたえているのが現状ではないだろうか?

 学校現場に難題を押しつけ、うまくいかなければ学校現場が悪いと言われる。矛盾だらけの職場で、さらに給与水準まで下げると、誰が好んで教師になりたいと思うようになるのであろうか?教育現場の将来は明るくない!子供達は日本全体の宝である。宝を磨くのは公教育の役割である。その宝を磨く教職員には、素晴らしい人間にその役割を担って欲しい。

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