シンドラーエレベータが世間で騒がれている。日本全国の100台に1台くらいはシンドラーエレベータが稼働していると報道されている。特に官公庁が入札した物件では落札する場合が多いと言われている。

 競争入札の場合確かに安く導入されるというメリットがある。入札の際の仕様書には故障の頻度とか、部品の耐久性、使い勝手などが書かれていない。その結果、仕様を満たしているだけの作りの悪い代物が導入されるケースがよくある。いわゆる「安かろう、悪かろう」のたぐいの代物である。

 いったん導入されればエレベータなどは変更する事が不可能に近い。安く売りつけておけば、後のサポートはよほど悪くても問題になりにくい。官公庁の入札もいったん入札が決まってしまえば、仕様を満たしている限り、どんなにボロでも導入されてしまう。

 日本の大企業でも同じような対応をする企業がある。大規模な入札になればなるほど、入札の価格を落として、いったん入札したら、手のひらを返したような対応をする企業が現に現れている。それも日本を代表するリーディングカンパニーである。リストラが進み、好決算を企業が出てきている。好決算の影にはこのようなサポート体制にかけるお金を削って、利益を上げているのではないかと疑いたくなるほどである。

 企業の価値はどれだけ利益を上げたかで決まる物ではない。安く製品を作るところでもない。ユーザーのために良いモノを安く提供しようと思う企業が生き残っていくはずである。一時期の利益や、実績のためにユーザーをないがしろにするような企業は、どれだけの大企業でもいずれは信頼を失って行くであろう。

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