トリノオリンピックが終わった。17日間の大会を終え、日本選手団はフィギュアスケートの荒川選手の金メダル1個に終わった。遅塚選手団長はこの結果を「日本国民に謝罪したい」と語った。

 JOCは当初からメダルの目標を5個にしていた。これは不可能な数字ではなかったはずである。現にスケートをはじめ、アルペン競技においても4位や5位の選手が多数入賞した。あとわずかでメダルに届かないという不運も見舞われた。

 日本チームが惨敗したのは、長野五輪から選手強化が進んでいないこと、実業団が選手を抱える余裕がなくなってきたこと等が挙げられているが、選手団長が「国民に謝罪」する事であろうか?

 確かにオリンピックの選手には多額の税金が使われているのは間違いない。しかし、オリンピックの選手は日本のために頑張っているのだろうか?本当に国家国民のために頑張っているのであれば、荒川選手の金メダルの報奨金の200万円はあまりに安いのではなかろうか?昔、ソ連や東欧の諸国は国家戦略としてオリンピックを利用していた。中国や韓国も国を挙げてオリンピック選手の養成に力を入れいている。

 多くの選手は、スポンサーの獲得に苦労しながら競技を続けている。たとえメダルは取れなくても、健闘をたたえようではないか!4年間オリンピックを目指して練習して、オリンピックに出場したこと自体が讃えられるべきである。日の丸のためだけに競技をしている人は誰もいないであろう。確かに勝負である限り勝つことや、メダルにこだわることも重要であるが、クーベルタン男爵は「参加することに意義がある」と言った。もう一度その精神を思い出すべきではないか?

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