高校での必修教科を履修していない事が問題になっている。受験対策のために、本来履修すべき教科を受験に必要な教科の指導に当てていたものと思われる。進学熱心な高校ほど、必修教科を履修していないケースが多い。

 背景には受験教科に時間を取りたいという高校側の都合を優先させたためであろう。週5日制に移行したと同時に、総合的な学習や情報が必修教科となり、受験教科の為に指導する時間が少なくなった事が原因だと考えられる。

 必修教科を履修していないと言うのは大問題であるが、教科書を購入していない学校もあるという。文部省は教育課程に基づいて、教科書数を把握出来る立場にあり、文部省でも調査すれば履修しているかどうか確認することは可能だったはずである。

 さらに問題なのは、なぜこの時期に問題にしたのであろうか?誰が問題にしたのか報道では明らかになっていないが、数年前から履修していない学校もあったのに、なぜ卒業を控えたこの時期に問題が明らかになったのであろうか?3年生はセンター試験まで100日を切っているにもかかわらず、補習が必要になっている学校もある。国公立の2次試験が終わるのは3月上旬である。受験を控えた生徒達にどうやって、補習をすればいいのであろうか?

 どうやって必修教科の履修問題が発覚したのかは報道されていないが、これは受験妨害ではないだろうか?履修していないことを問題にして、きちんと履修している高校が受験で有利になるようにぎりぎりのタイミングで問題をリークしたのではないだろうか?4月に発覚すれば、夏休みにでも十分に補習はできたと思われるが、卒業している生徒は卒業取り消しにならないにもかかわらず、なぜこの時期に問題を大きくしたのか、疑問でならない。最大の被害者は生徒である。生徒の被害を最小限に食い止めるのもまた行政の大きな役割である。

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