買い手市場、氷河期、超氷河期など、ここ10年ほど就職戦線で、このような言葉がマスメディアの中で使われてきた。

 4月になって大学や専門学校では2007年に向けた就職が本格化しているようである。すでに2007年問題が言われはじめて久しいが、今年の就職戦線は明らかな変化が見られる 。具体的には、「雪解け」や「売り手市場」等の言葉がメディアの中で使われ始めている。

 団塊の世代が次々と退職を迎える中、日本は明らかに新しい時代に突入しようとしている。少子化は世間が思っているよりはるかに進行していて、今から先は優秀な労働力の確保というのが企業にとって大きな問題になるであろう。

 2006年度3月決算ではバブル期を超える好決算に沸いた企業が沢山あった。静かな景気拡大は続き、すでにバブル景気を超え、いざなぎ景気を超える勢いである。

 日本はバブルの後遺症に悩んできた。不良債権の問題も過去のものとなりつつある。現在の20代から30代前半の若者はバブル期のツケや、グローバル化、日本経済の構造的な問題のため、実力に見合った就職先を得られないままであった。その結果、フリータやニートの問題など様々な社会問題も引き起こしてきた。フリータやニートの問題を若者の問題と決めつけているものも多いが、若者に夢を与えてこなかった社会の責任も大きいと思われる。

 日本経済が大きな変革期を迎えている。もう一度若者が自信を持ち、若者に夢を与えられる社会が到来することを期待している。

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