ラグビーの日本チームが旋風を巻き起こしている。ランキング世界第3位で過去2回の優勝を誇る南アフリカ共和国に勝利したのである。過去24年間のワールドカップで1勝しかしていない日本チームが勝ったのである。

 日本人は体格差で圧倒的に不利だとされている。フォーワードの体重も世界で1番軽い。そのフォワードも歴戦の勇者と対戦しても全くひるむことなく互角の戦いである。バレーボールなども圧倒的な身長の差をチーム力で補なって、世界の強豪の中で気を吐いている。

 日本は体操やレスリングなど体格の差があまり影響しないスポーツで世界をリードしてきた。柔道やバレーボールもかつてはお家芸と言われ、メダルを取ることが当たり前のようになっていたが、最近は海外との体格の差でなかなか勝てなくなってきた。外国勢の圧倒的なパワーの前に、日本の選手が苦戦する姿を見た人も多いであろう。

 奇跡と言われた今回の日本チームは、どれだけ日本に力を与えてくれたであろう。日本は経済分野でも中国に抜かれ、工業製品も海外と厳しい競争に苦戦する状況も多くなってきた。そんな日本に大きな自信を与えてくれたのは間違いない。テニスの世界では錦織も頑張っている。錦織も海外の選手に比べれば小柄で、とても恵まれた体であるとは言い難い。それでも海外の強豪選手と互角に渡り合い、ランキングは1桁をキープしている。

 スポーツの世界で、一人ひとりの体格では不利な状況にあっても、チームワークや作戦で相手を上回ることができることを証明してくれた全日本チーム。スポーツの世界のみでなく、官界や経済界や学会はもちろん、日本人一人ひとりに、頑張れば世界と渡り合えること勇気を与えてくれたことは間違いない。

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