しかしながら、このキットには三つほど大きな欠点があります。 それは
この工作に必要な材料は当然 SEM の車輪 (1 袋で 2 輌分ある) ですが、 その他に軸受けをピボットにするために、フクシマの軸受けメタル (たしか 40 個くらい入って 500 円だと思いました、エコーで購入。) です。
工具はプラスのねじ回し (軸受けを付けたりはずしたりするのに必要、 もっともこの改造をしなくても必要になりますが) と、2.4mm のドリル、 それにピンバイス (2.4mm のドリルで穴を空けるのに使う) です。
加工法は、組み立てられた貨車を改造する時と、新規にこの車輪を組み込ん で作る時とで少し変わってきます。 というのも、この貨車はブレーキシューが左右一体でこれがちょうど金属 製の軸受けを塞ぐ形で接着されてしまっています。 ですからもし改造をする場合には、最初の作業はブレーキシューの左右を 接続している部分を切りとって (車輪をはずしてからやった方が楽でしょ う) 金属軸受けがはずせるようにしてやります。
この後は新規でも改造でも一緒なのですが、最初に金属軸受けのもとから 開いている穴を中心にして 2.4mm のドリルで穴をあけます。 フクシマの軸受けメタルはこの穴に対して、ちょっときつめに作られて いますから、指先で押し込んでやれば軸受けの改造は終りです。
これに、ちょうど合う車輪なのですが残念ながら SEM から出てる軸長で はぴったりと合うものはありません。 つまり、PEM の軸受けを計測してみると 22mm 弱が適当なようなのに、 SEM の標準品には短軸ならば 19.5mm、標準軌ならば 23.8mm, 25mm, 26mm の三種しかありません。 しかも困ったことに、標準軌用には 9.5mm で 8 本スポークというのも ないのです。 森井さんのリスト を見ると、実はモデルワーゲンの長軸ならば、 ほぼこの要求にぴったりですから、苦労したくないという人はここで 方針を変えて、モデルワーゲンの車輪を使うのも手でしょう。
私はしつこく、SEM でいくことにしていたんで、26mm の軸 (に何か車輪が はまってたはずだけど、忘れた ;->) を切って、ドリルレースで 21.7mm のピボット軸を作り、これに 19.5mm の軸にはまっていた 9.5mm 8 本 スポークの車輪を押し込みました。 貨車の場合どうしても、大量に増備する (はず) んで、コストを考えると この方が良いような気がしたのです。 でも、大量に増備する時には手間も問題かも知れません。
まあ、かくして完成したのが右の写真にある貨車でして、実はもう少し 手を加えようと思っているのでまだ塗装はしていません。
注意することとしては、プラのブレーキシューをきちんとつけないと ずっとブレーキがかかりっぱなしになって、せっかくのピボットが 生きないことでしょう。 特に、上に書いた軸の長さでは左右に 0.5mm 程度のガタがありますか ら左右どちらに動かした時にもブレーキシューにふれないことが大切です。
今回のように改造でない時には、先に金属軸受けの改造を済まし車輪を はめ、その後でブレーキシューを接着するということも可能だと思います。 でも、せっかくはずれるようになっている軸受けを別の部品ではずれなく するのはあまり好きではないので、今回の改造版のように左右を切って しまったほうが良いかもしれません。
最後に、 改造した軸受け の写真と 改造した車輪 の写真を付けておきます。
ある程度、余分に車輪は作ったんでもし使いたい人があればわけられます。 次のオフの時にでも持っていきましょう。